三日目

朝:朝食ですよ
か「………モグモグ………」
カチャカチャ…
タ「………」
か「……モグモグ………」
カチャ……カチャン………カチャ……
タ「……あ……あのぅ……」
か「…………モグモグ」
タ「か、かなみさん?」
か「……モグモグ…………ごちそうさま。じゃ、アタシ行くから」
タ「あ! ま、待ってかn――」
ベシッ!!(←かなみの放った鞄のフルスイングがタカシの顔面に直撃)
タ「ぐぼへっ!? は、鼻がっ!? 鼻がっ! ぐぉぉぉぉぉぉ……」
か「………死ね」
タ「……あぁぁ………」

通学路
スタスタスタスタ…
か「………」
タ「な、なぁかなみ」
か「………」
タ「なぁ、話くらい聞いてくれよ?」
か「………ちょっと、後ろちょろちょろしないでよ覗き魔」
タ「べ、別に覗いたわけじゃない!」
か「何よ、言い訳する気?」
タ「いや……あの……つ、つーかさ、風呂はもう入ったって言ったじゃん。何であの時間入ってたんだよ?」
か「言い訳なんて聞きたくない。アンタが、アタシがお風呂入ってるところを覗いたことに違いはないんだからね」
タ「う………ご、ごめんなさい……」
か「………」
タ「ゆ、許してくれない?」
か「………」
タ「か、かなみさん?」
か「………あ! ちょっとお巡りさん」
警官「ん? 何かな?」
か「後ろの男の子がさっきからつけてくるんですよ。どうにかして下さい」
タ「ちょwwwwおまwwwww」
警官「む、ストーカーか? ちょっと君、話を聞こうか?」
タ「ち、違う! 俺はストーカーじゃない!」
か「昨日お風呂覗かれました」
警官「なんだと!? この田代め!  ち ょ っ と 署 ま で 来 い !」
タ「ち、違う! 俺は田代じゃなあああああぁぁぁぁぁぁぃ……」

学校:授業中ですよ

先生「――この時、X>0だから、両辺をXで割って――」
ガラッ
タ「お、遅れてすみません」
山本「どうしんだタカシ? 寝坊か?」
タ「ちげぇよ」
先生「病院にでも行ってたのか?」
タ「まぁ……そんなところです」
先生「まぁ、いい。さっさと席に着け」
タ「はい」
タカシが歩いて自分の席に向かう。その途中、かなみの席の横を通った時――教室の空気が変った。
タ「!?」
吉田「あれ……? 何か寒くなった?」
か「さぁ、気のせいじゃない?」
先生「む……なんだか急に肌寒くなったな。おい、白井。窓閉めてくれ」
白井「は、はい」
先生「それじゃあ授業を再開する」

―数分後―
三村「な、なぁ……何か体の震えが止まらないんだけど」
吉田「わ、私も……ていうか何だか恐い……」
三村「そう、それ。何か恐いよな?」
田村「なんだよこの感じ……しゃ、シャーペンがちゃんと持てない……ガクガクブルブル」
野田「お……俺、吐き気してきた……」
大上「大丈夫、野田君? あ……あれ?……なんだか……意識が……」
か「………」
タ「………」(←汗ダラダラ)
先生(くぅ……何なんだこの空気は。教師生活10年。こんな空気は初めてだ………
   だ、駄目だ! これ以上授業してたら俺の命が!)
先生「き、今日はここまでだ。後の時間は自習にする。それじゃ!」
ガラッ!
生徒『なっ!? に、逃げやがった!!?』
か「………」
タ「………」(←白目)

キーンコーンカーンコーン……

放課後ですよ

吉田「かなみ。今日、生徒会の仕事あるの覚えてるわよね?」
か「え? あぁ、そうだったわね。何時から?」
吉田「3時半からだから、今すぐいかないと。行こう」
か「うん。わかった」
タ「あ、かなみ!」
―空気凍結―
か「………何よ」   “アァ……イシキガ……”  
               タ「う……え、えっと……俺は先に帰っとくから……」   “オイッ!! オオガミッ!! ダイジョウブカッ!?” 
か「あっそ。そんなこといちいち報告しないでよ。鬱陶しい」   “アァ……ノダクン……ワタシ……モウ……ダメカモ……”
タ「ご、ごめん」   “オオガミッ!! ネルナ! ネタラシヌゾ!! オオガミッ!!”
吉田「か、かなみ? 早く行かない?」   “ノダクン……サイゴニナルカモシレナイカラ……イウケド……ケッコウ,アナタノコトスキダッタ……ワヨ……ガク……
か「そうね。こんなバカと話してたら脳ミソ腐っちゃうわ」   “オオガミーーーーーーーーーッ!!!!”
―かなみ退出。空気回復―   “アレ?……ココハ?……”
タ「………」   “オオガミッ!? イキテルノカ!?”
荒井「なぁ、タカシ?」   “!? チョ、チョット!!? ナニダキツイテルノヨッ! ヘンタイ!!” ドガッ!!
タ「な、何?」   “グヘッ!? ナ、ナニスルンダヨ!?”
荒井「お前何かしたのか? 椎水さん。今日やけに恐くない?」   “ア、アナタガダキツイテルノガワルイノヨ(////) バカッ!!”
タ「……いや……別に……」   “サ、サッキハオレノコトスキッテイッテクレタジャナイカ!?”
荒井「………そうか?」   “ア、アレウソヨ! ウソニキマッテルデショ!! (////)”
タ「うん………」   “('A`)……”

夕方:タカシ宅:庭で洗濯物を干してるタカシ
タ「……はぁ〜……」

通学路:帰宅中のかなみ
か(ったく、信じられない。女の子のお風呂覗くなんて。タカシのバカバカバカバカバカバカバカバカ。
  帰ったらもう一回殴ってやろう)

タカシ宅前
か「(ん? タカシ、洗濯物干してるのね…………!? あ、あのバカっ!!)こらっ!!! タカシっ!!!!!!」
タ「んあ!? か、かなみっ!? どうした!?」
か「アンタ、何やってんのよっ!!!!」
タ「な、何って洗濯物干してるだけだけど……」
か「その手に持ってるのは何っ!!?」
タ「え……? これはかなみのパn――――ゲッ!?―――か、かなみっ! 違うんだこれはっ!!」
か「死ねええええええええええええええええええええっ!!!!!!!」
タ「ぎゃああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ………………」

庭:昨日と同じく宙吊りのタカシ
タ「か、かなみさん……ごめんなさい……許して………」
か「…………はぁ〜……もう、怒るのも疲れるわよ……アンタわざとやってるの?」
タ「だ、断じてそんなことは……俺はかなみに許してもらおうと必死で……」
か「(一応反省はしてるのね……)………はぁ〜……もう怒る気も起こらないわ……」
タ「ゆ、許してくれるのか!?」
か「……そうね」
タ「あ、ありがとうかなみっ! 愛してるぞ!」
か「ただしっ! 何にも無しで許してもらおうってのも虫のいい話よね」
タ「十分酷い目に遭ってるんですけど……」
か「反省が足りてないみたいね」
タ「何でもします! ですから、お願いっ! 許して!」
か「……そうね……とりあえず、これから一月、アンタはアタシの下僕になりなさい」
タ「げ、下僕?」
か「っそ。アタシが何か命令したら、絶対文句言わずに従うこと。それが許すための条件ね」
タ「………」
か「いいのよ? そのままずっと宙吊りにしてても」
タ「し、従います! 今日から一ヶ月。俺はかなみ様の下僕です!」
か「よろしい。それじゃあ許してあげる」
タ「………はぁ〜…………やっぱ死ぬかも……」

晩御飯ですよ

タ「………あ…」
か「モグモグ……」
タ「なぁ、かなみ」
か「……モグモグ…」
タ「? かなみ?」
か「………モグモグ」
タ「…………かなみ様?」
か「何?」
タ「………」
か「何よその顔は。下僕がアタシに何か文句でもあんの?」
タ「いえ、ありませんかなみ様」
か「で、何?」
タ「お弁当ってどうなったんだ?」
か「お弁当? あぁ……そんなものもあったわね。始めは作る気はあったけど、いろいろとあったから、
  作る気なんてなくしたわよ」
タ「そうか……結構楽しみにしてたんだけどな……」
か「まぁ、気が向いたら作ってあげるわよ」
タ「そうか、ならその日を待ちわびとくよ」
か「一生ないと思うけどね」
タ「…………」


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