五日目

学校ですよ
飯塚「あぁ〜……彼氏ほしぃ〜……」
広瀬「あんたさっきからそればっかりじゃない」
飯塚「だって欲しいんだもん。ていうか来週クリスマスよ? あんたの方こそ分かってるの?」
広瀬「分かってるわよ。まぁ、けど私はまだいいよ、彼氏は」
飯塚「何で?」
広瀬「別に興味ないし。それに最大の理由は好きな人がいないからかな。ていうかあんたは好きな人いるの?」
飯塚「少なくともこの学校にはいないわね」
広瀬「じゃあ駄目じゃない」
飯塚「けど欲しいのよ。イブの夜に彼氏と二人っきりで……(*´Д`)ハァーン」
広瀬「気持ち悪い顔してんじゃないわよ……」
飯塚「あ〜ぁ……彼氏ほしぃ〜…………」
広瀬「その点さ、かなみは大丈夫だよね?」
それまで会話に入らずにパックジュースを飲んでいたかなみがきょとんとした顔で二人の友人を見る
か「え? な、何で?」
飯塚「そうよね。かなみはカッコイイ幼馴染がいるしね」
か「ちょ、ちょっと待ってよ! 何でそこでタカシが出てくるのよ!?」
広瀬「かなみ、別府君とクリスマス過ごすんでしょ?」
か「す、過ごさないわよ!」
飯塚「うっそぉ〜? 身近にあんなカッコイイ男がいるのに」
か「タカシのドコをどう見たらカッコイイのよ? アンタ達、目腐ってるわよ」
広瀬「酷い言われようね。むしろ腐ってるのはかなみの目よ。確かにジャニーズ系じゃないし、
   言っちゃえば結構よくいる顔だけど、少なくとも悪くはないわね」
飯塚「そうそう。あぁ〜私もカッコイイ幼馴染がいればなぁ〜」
か「そんな良いもんじゃないわよ、幼馴染なんて」
飯塚「別府君は良いもんでしょ」
か「良くない!」
タ「さっきから俺の名前が飛び交ってるようだが、何話してんの?」
飯塚「お! いいところに来た!」
か「アンタは関係ないわよ! どっか行きなさいよ!」
タ「ん? どっちが正しいんだ?」
広瀬「碧(←飯塚の名前)の言ってる方が正解。いいところに来たわね。ちょっと話を聞かせてくれない?」
タ「別にいいけど?」
か「よくない! 帰れ!」
飯塚「ちょっと黙ってなさいかなみ。ねぇ、別府君ってさ、来週のクリスマスイブってどうする?」
タ「え? クリスマスイブ……? ん〜……」
チラッっとかなみの方を見るタカシ
か「な、何でこっち見るのよ……」
飯塚「ふふぅ〜んw」
か「ちょ、ちょっと!? 何でニヤニヤしてるのよ!? 勘違いしてるわよ!!」
広瀬「いいえ、コレは多分勘違いじゃないわね」
か「勘違いよ! とにかく! 私はタカシと一緒にイブは過ごさない!!」
タ「え? かなみ、けど昨日の夜には好きって――」
バギッ!!!
タ「ぎゃ!? ひゃ、ひゃひょふぁあ゛ふへは!! (あ、顎が外れた!!)」
飯塚「今、別府君気になること言わなかった? 昨日の夜とか、スキとか」
      イッテネェヨ!!            センサクシヨウトスンジャネェゾ!!
か「言ってないわよ! 言ったとしても、こんなバカの言う事なんだから、どうせろくでもないことよ!」
 コロスゾ!!                 キクナキクナキクナキクナ!!
広瀬「ガクガクブルブル な、何だかかなみの心の声が聞こえたような……」
飯塚「と、とりあえず、かなみはイブの夜を別府君と過ごしたりはしないのね?」
か「そうよ。最初からそう言ってるじゃない。ったく……」
広瀬「とりあえずさ……別府君どうにかしない?」
か「え?」
タ「ふぁ……ふぁ……ふぁぁ………」
か・飯塚・広瀬『…………』

放課後
タ「あぁ〜……いってぇ〜……なんでいきなりぶん殴ったりしたんだよ……」
か「アンタが悪いのよ。アンタが。いきなり昨日の夜のこと話そうとするからよ」
タ「だからって、こんな強烈なパンチを放つことはないだろ? 保健室の先生によると、もう少しで
  本当に外れるところだったらしいぞ?」
か「知らないわよバカ! あ」
タ「ん?」
か「ちょっとタカシは先に帰っててくれない?」
タ「何で?」
か「吉ちゃんと話してきたいから」
タ「あぁ……分かった。じゃあ先帰っとくな」
か「うん」

か「あ、吉ちゃん」
吉田「ん? 何? かなみ」
か「えっとさ……ありがとね」
吉田「? あ……あぁ……数学の問題?」
か「そう、それ」
吉田「ていうことは、あの後何か良いことあったの?」
か「べ、別に良いこととかはなかったわよ」
吉田「そう?w ま、いいわ」
か「ごめんね。アタシ、吉ちゃんがタカシに告白したって言った時、正直吉ちゃんのこと嫌いに思っちゃったの。ごめんね」
吉田「いいよ。どうせ、またすぐにそう思うことになるだろうし」
か「………え?」
吉田「これ、なーんだ?」
吉田が取り出したのは一枚の写真
か「写真?………!?!?!?! な!? なななななな!?!?」
そこに写っていたのは、昨晩、恐怖でタカシに抱きついたかなみの姿だった。
か「なっ!? え?! どういうこと!?!?」

―ピカッ!!(←庭の方からまばゆい光が)
か「きゃああああああっ!!」
かなみがタカシに無意識に抱きついた
タ「うわっ!? かなみ様! 落ち着け!」
か「こ、恐いよぉぉぉ……タカシぃ………」―

―吉田「ていうことは、“あの後”何か良いことあったの?」―

か「あ…………あぁ………!?」
吉田「そういうこと」
か「あ、アンタっ! どんだけ暇人なのよ!?」
吉田「何とでもおっしゃい。おほほほほほw さ〜て〜。この写真はどうしましょうかねぇ〜www」
か「く……何をしてほしいの?」
吉田「まぁ、安心して。そんなに酷いことはさせないわよ。まぁ、せいぜいがちょっとジュースとか
   奢ってもらうくらいかな」
か「くぅ…………」
吉田「おほほほほwww まぁ、私には感謝してもらいたいものね。私のおかげで別府君と仲良く
   なれたんだから。あ、ところでさ、アンタって何で別府君の家のいたの? ていうかあの時間まで
   別府君の家にいたってことは、あの後も――」
ガンッ!! バタ……
か「………ごめん。吉ちゃん。けど、タカシに想いを伝えられたこととかは感謝してるからね。それじゃ!」
ダッ!!   ン? ヨシダサン!? ドウシタノ!? ダイジョウブ!!? センセイ!! ヨシダサンガアワフイテタオレテマス!!

夜:タカシ宅:タカシの部屋
タ「…………」
キィ…
か「タカシ?」
タ「かなみ? 今日はどうした?」
か「……えっと……今日も一緒に寝ちゃ駄目?」
タ「え?……べ、別にいいけど?」
か「そう? 良かった♪」
ガサゴソ
タ「どういう風の吹き回しだ?」
か「んっとね………タカシと一緒に寝たいなぁ〜って思って。迷惑だった?」
タ「いや。むしろ俺も嬉しいかな。つうかどうしたんだ? 何かキャラ変わってない? 
  学校の時とえらい違いだな?」
か「そ、それは恥かしいからよ……それにね……何ていうか、今まではタカシの気持ちが分からなかったから、
  正直恐かったの……。でも、昨日でタカシの気持ちが分かったから……だから、二人きりの時なら
  こんなこともできるんだと思う……」
タ「ふーん……」
か「……ねぇ、タカシ」
タ「ん?」
か「キスして」
タ「ん………」
チュ
か「………ムー」
タ「? 何か不満か?」
か「もっと激しく」
タ「は、激しく?!」
か「そう。アメリカの映画みたいに激しいの」
タ「んなディープキスの仕方なんて、俺知らないぞ?」
か「知らなくてもいいのよ、適当で」
タ「ん〜……それじゃ……」
ん……んぅ……んちゅ……ちゅぱ……ん……ちゅぷ……ちゅぱ……う……ちゅぅ!……
か「……んー……んーっ!……ちゅ……ぷぁ……(////)」
タ「こんな……感じかな?」
か「うん……(////) すごく良かった…………ねぇ、もう一回して」
タ「うん」
ちゅ……んぅ……ちゅb――


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