七日目

朝:タカシの家の前
?「……」
ち「……あれ? 隆二さん?」
隆二(タカシの兄)「え? あれ……もしかしてちなみちゃん?」
ち「もしかしなくてもちなみです。何してるんですか? 一人暮らししてたんじゃないんですか?」
隆二「いやさ、仕事がやっと一息ついたんで、久々に実家に帰ろうかなって思ってさ、昨日帰ってきたわけだけど……」
ち「何で入らないんですか――あ……もしかしてお姉ちゃん達ですか?」
隆二「ちなみちゃん知ってるの? あれ、どういうこと?」
ち「えっとですね……」
説明中
ち「というわけです」
隆二「なるほど……しかし昨日は驚いたな。まさかいきなりお風呂とはな。いやさ、確かにタカシとかなみちゃんは
   小さい時からの幼馴染だし、いつかはくっつくとは思ってたけどさ……まさかあんな、親がいないからって
   蜜月な日々を送っているとは……我が弟ながら驚きだよ。あまりにも驚いたせいでお土産のお茶碗落として
   割っちまったよ。あ、そうだちなみちゃん。いいモノあるんだけど見る?」
ち「いいモノ?」
隆二「そうそうwww」
ち「……?」

タカシ宅:リビング
タ「さてと、朝ごはんも終わったし……何する?」
か「タカシが考えてよ」
タ「そう言われると困るな……」
ピンポーン♪
タ「ん? 誰だこんな朝早くに……はーい?」
ガチャ
隆二「よう」
タ「兄貴っ!? 何で!?」
ち「おはようございます」
タ「ちなみちゃんも……一体何なんだよ?」
隆二「ちょっと仕事が一段落ついたんでね、久々の帰郷さ。お邪魔しま〜すw」
タ「あ! ちょ、ちょっと待って!!」
隆二「よう、かなみちゃん。久しぶり」
か「!? りゅ、隆二さん!? 何で!?」
タ「あ、兄貴! これには色々と深いわけがあってだな!」
隆二「知ってるよ。かなみちゃんが家出してきたんだろ?」
タ「え?」
ち「私が教えました」
隆二「そういうこと。しかしだな、タカシ。いくら親がいないからってちょっとイチャイチャしすぎだぞ?」
か「!? い、イチャイチャなんてしてません! 変なこと言わないでください! ていうかアタシがタカシと
  イチャイチャするわけないでしょ?!」
タ「そ、そうだ! 俺達は変なことは一切――」
隆二「ほぉ〜w 一緒にお風呂に入る事はイチャイチャではないのか?www」
タ「な!?」
か「!?!?!?!」
隆二「さらに、お風呂の中でこんなことをするのは、イチャイチャではないのかな?」
おもむろにポケットから携帯を取り出し、ムービーを再生する隆二
カ“アァ……イヤンッ! タカシハゲシスギ! ヤァ!! ァァァ!! イ、イク!! イッチャウ!!”
タ“カ、カナミ! ……オレモ……イキソウ……”
か「!!!!?!?!?!!??!?!!?! (//////////////////////////////////////) ボン!! シュ〜!! バタ……」
ち「あ、気絶した……お姉ちゃん顔真っ赤……」
タ「兄貴っ!!! なんてことしてんだよ!!?!?! 犯罪だろそれ!!!」
隆二「ちょっとしたお茶目だ」
タ「犯罪だ!!! 消せ! 今すぐ消せ! ていうかその携帯よこせ! 叩き割る!!」
隆二「おうおう落ち着けタカシ。それよりかなみちゃん倒れたままだぞ? いいのか?」
タ「く……かなみ、大丈夫か?」
か「あぁ……もう……生きていけない……」
タ「大丈夫だ! 俺がいるから!」
隆二「おあついねぇ〜」
タ「お前は黙ってろ!」
ち「お前呼ばわりされてますね」
隆二「我が弟のことながら悲しいぞ。目上の人にはちゃんと敬意を表さないと」
タ「うっせえバカ野郎!」
隆二「さてと、面白いもん見えたから俺はそろそろ帰るか」
タ「アンタはなんのために来たんだよ!!」
隆二「あ……っと。言い忘れるところだった。母さん達から伝言がある」
タ「伝言? 何で兄貴が? 電話があるだろ?」
隆二「電話したけどお前達が風呂入ってる時だったからなw」
タ「く……うるせぇ……で、何なんだよ」
隆二「なんでも新幹線で事故があって、何日間か帰れそうにないそうだ」
タ「……え?」
隆二「今、ちょっと『やった』って思ったろ?w」
タ「お、思ってねぇよ! 早く帰れよ!」
隆二「お〜お〜怖い怖いw それじゃあ俺はこれで帰るなw じゃあ〜なぁ〜かなみちゃんによろしく言っといてくれ」
タ「二度と帰ってくるな!!!」
パシャ!
タ「何撮ってるんだよ!!!!?!!?」
隆二「記念撮影だよ記念撮影」
タ「死ね!!!」

兄帰宅
ち「なかなか災難でしたね」
タ「まったくだよ……ったく、あんなのが兄貴なのかと思うと、寒気がするわ」
ち「お姉ちゃん大丈夫そうですか?」
タ「とりあえずしばらく横にしといたほうがよさそうだな。まだ顔赤いよ……大丈夫か?」
か「うぅ〜……グス……タカシぃ〜……」
タ「よしよし、大丈夫だぞ。兄貴は俺が後で殺しとくからな」

結局タカシの親が帰ってきたのは3日後で、その間二人は蜜月な日々を過ごしたそうな

おしまい


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