ツンデレが媚薬を使ったら その4

『【ど……どうしよう…… タカシの前で……おっぱい……出しちゃった……】』
 ドクドクドクドクドクドクドクドク……
 心臓が激しく脈を打ち、内側からまた、熱がカアッと放出される。下半身はさらに湿り
気を帯び、弄って欲しい、と言わんばかりに激しく疼いた。
『【隠さなきゃ…… は、早く……】』
 脳のどこかで正常な私が叫ぶ。が、それはもはや微かで、私の手はむしろ、裾が落ちな
いように胸の上で形を直すと、右手で胸を抱くような格好でしっかりと押さえ込んだ。
『ハア……ハア……ハア……ハア……』
 息が少しずつ荒くなるのを、何とか意志の力で抑え込む。
『【熱い…… 体が……ボウッて……なっちゃう……】』
 大胆な誘惑はさらに強まり、私はさらに、ブラジャーまで取り去って胸も全部外に出し
たい欲求に駆られた。
『【ダメ…… それは……それだけは……】』
 しかし、左手はすでにブラに手が掛かり、人差し指が下のワイヤーの辺りをいじる。ク
スリのせいで敏感になり過ぎた乳首がゾワゾワとし、解放して欲しい、ブラを取り去って
欲しいと訴えかける。
『【タカシの前で……あ……ダメ……我慢出来ない……】』
 理性が欲望に負け、指がスッとブラの下に潜り込んだ。
 その時。
「なあ、かなみ」
 タカシの声に、私はギクッと動きを止めた。今、私の姿を見られたらもうお終いだ。
万事休すとばかりに、私は身を硬くする。しかし、幸いな事に、タカシは約束を守ってく
れたようで、こっちを向く気配は見られなかった。
「とりあえずさ、全部終わったんだけど」
『そ、そう。どれ、見してごらんなさいよ』
 私はタカシの真後ろから肩越しに、ノートを覗き込んだ。
「お前さ。そこからじゃ見にくいだろ? せめて隣に来いよ」
『そ……そんなの、いいじゃない。あたしの……か……勝手なんだから……』
 タカシの意見に反論しつつも、私は内心ではタカシの方が正しい事を言っているのは分
かっていた。服を直して、タカシの横に座り直せばそれで済む。

 けれど、もうダメなのだ。
 一度まくり上げたブラウスの裾を戻すなんて出来そうに無い。どころか、こうしてタカ
シの解いた問題を見ている間も、空いた左手はブラの下に侵入し、固くなった乳首を弄り
始めている。
『【んんっ……うっ…… ハアハア…… 私……エ……エッチな事してる……タカシの……
すぐ真後ろなのに……】』
 止めないと、と思う。こんなの、私じゃない、と思う。けれど、止まらなかった。ブラ
の中に潜り込んだ指が、ゆっくりと、めくり上げるようにしながら、ブラを押し上げていく。
『【…………あ…………だ……出しちゃった……】』
 乳房が露出し、外の空気が直接当たる。にも関わらず、体は熱くなる一方だった。
『あ……ほら。ここ……違ってるじゃない……』
「え……と、ど……どこだよ?」
 私の指摘に、何故か戸惑い気味にタカシが聞き返す。きっとタカシも、何かおかしい事
に気付いているんだろう。ううん。ここまでやって何も気にならなければ、それはもはや
単に鈍感というレベルでは済まされない。
『ほ……ほら…… こ、この問題よ……さっきも言ったじゃない……』
 私は、指で間違った部分を指し示そうと、体を少し前に寄せた。タカシの背に、私の胸
が押し当てられる。
「ちょ、ちょっと待てよ!! かなみっ!!」
『こっち向くなっ!!』
 私は、タカシの背におぶさるように体を預けてタカシがこっちを振り向けないようにし
た。
『あ……あたしが、説明してんでしょ…… ちゃんと……ま、真面目に……聞きなさいよね……』
 そう言う私の方が、むしろキチンと話せていなかった。タカシの体の方にしか行かなく
なってしまった意識の端を辛うじて問題集の方に振り向けてはいるが、どうしても言葉が
途切れ途切れになってしまう。

「真面目に、って……おま……この体勢じゃ無理だろ? てか、背中に柔らかいものが……
当たってるんだけどよ……」
『!!!!! な、何、その……い、意識してんのよ…… スケベ……(///////)』
 タカシに指摘されて、恥ずかしさでさらに顔まで真っ赤になる。が、もはや性欲に逆ら
えなくなってしまった私の体は、タカシの体から離れなれなくなってしまっていた。むし
ろますます強く、ギュウッと胸を押し付けてしまう。
「スケベって…… おま……押し付けてんのはお前だろが……」
 明らかにタカシが動揺しているのが窺えた。私も動揺している。正直、死にたいくらい
に恥ずかしくて、胸がバクバク言っていて、でも、タカシからもう離れたくもなかった。
『い、い……言っておくけどね。これは、その……タ、タカシの集中力を鍛える為だから
ね…… だから、その……あたしが押し付けたいとかじゃないんだから……』
 ごまかすためとは言え、これは余りにも無茶苦茶な論理だと自分でも思う。けれど、も
う思考がまともに働かなかった。体も心も、もう、ほとんど欲望に犯されている。唯一、
タカシにスケベな女の子だと思われたくない。その一点だけが私に強気な発言をさせていた。
「い、いやその……いくら何でも、これはヤベーって。おかしいだろ? どうしたんだよ、かなみ……」
 どうしよう。どうやって答えよう。いくら考えても、いい答えが浮かばなかった。いっ
そクスリの事を話そうか…… しかし、すぐに私はそれを否定した。じゃあ何でそんなク
スリを飲んだのか、理由を突き詰めていけばタカシの前で素直になりたかったから。そん
な事を言ってしまったら、それはもう、告白したも同じになってしまう。さすがに、そこ
までの勇気は私に無かった。
 と、その時、顔を伏せた私の視線に、タカシの下半身が目に入った。あぐらをかいた両
脚の間――そう、股間の所が明らかに膨らんでいる。
 咄嗟に私は、こう口走ってしまった。
『……タ、タカシだって……その……おかしいじゃない』
「俺がか? どこがおかしいんだよ?」
 不審と不満の入り混じった口調でタカシが聞いてくる。
『【ダメ……私、そんな事言ったら……ダメ……】』
 制止する僅かな理性を振り払って、私は続けてこう言った。

『……その……股間、膨らましちゃって…… やっぱり……スケベじゃないの。変態。バカ……』
 ギクッ、とタカシが体を硬直させたのが分かる。タカシでもこういう事を指摘されると
動揺するらしい。何か可愛いな、と私はつい思ってしまった。
「バ……バカ!! お前のせいだろが!!」
『へー。最低。人のせいにするんだ』
 そんな事を言いながら、私はさらに強く、タカシに胸を押し付けた。タカシの背中に潰
されて、乳房が形を変える。その気持ちよさに、私はつい、その行為に夢中になった。
「や、止めろって。そういうことするから……」
 もう、当てている、という表現では済まされない。既に背後から抱きすくめられている
格好のタカシは、しきりに身じろぎするが、ピッタリとくっ付いた私の体が離れる訳もない。
『【タカシが意識してる…… あたしのおっぱいが当たって……欲情してるんだ……】』
 股間の膨らみが苦しげにピクッと僅かに動く。キツイのかな?と、私はそれを見て思っ
た。さっきまで、私の胸が苦しそうに解放して、解放して、と訴えていたように、タカシ
の股間のあれも、外に出たがっているのだろうか?
『ね……ねえ、タカシ……』
 私は、小さくタカシの耳元で囁いた。
「な、何だよ……?」
 緊張しているせいか、ぶっきらぼうな返事をするタカシに私はこうお願いした。
『……目を……瞑ってくれる?』
 タカシの体が驚きでビクッと小さく動いた。
「ちょ、ちょっと待てよ!! お前、何言って――」
『いいから!! あ……あたしの言う事聞いてよ……』
 タカシの口から小さく息が漏れた。緊張してるのだろうか? なら一緒だ、と私は思っ
た。私の胸も、緊張と興奮でドキドキしっ放しで、さっきからもう破裂しそうだ。
「こ……こうか?」
 タカシの顔を横から覗き込む。タカシが目を瞑っているのは確認できた。けど、これだ
と薄目を開けているかどうか分からない。
『ダメ。もっと……ギュッと……瞑って』
「あ、ああ…… 分かった」

 さらにギュッと強くタカシは目を瞑った。それを見て、私はゴクリ、と生唾を飲み込む。
もう、大分私はタカシに体を押し当てていたのだけど、完全に抱きつくように強く胸を押
し付け、少し体を動かした。むき出しの乳房が潰され、形を変える。
「待てよ。おま……一体何を――」
『黙って』
 もう、私の頭には恥ずかしいとかスケベな自分に対する嫌悪感だとか、そういった物は
全て消え失せていた。タカシのモノも、私と同じように、楽になりたがっている。解放し
て貰いたがっている。だから、私が楽にしてあげなきゃ。ただそれしか考えられなかった。
『何も言わないで……お願い……』
 アゴをタカシの肩に乗せて、耳元で囁く。同時に両手をそっとタカシの体を包み込むか
のように、前に持ってきた。
『あたしが……楽にしてあげるから……』
 私の両手の位置はタカシの下腹部の辺り。膨らんだズボンのちょうど麓の辺りにあった。
僅かに張りが感じられて、それが私の興奮を刺激した。
『【さ……触っちゃうんだ…… 今から……わ、私の手で……タカシの……アソコを……】』
 いつの頃からだろう。タカシを意識し始めたのは。中学の頃だっただろうか? それま
では冗談で言っていた罵りの言葉が、照れ隠しに変わったのは。ずっと近づきたくて、で
も近づくのが怖くて…… 喧嘩した日ほど、夜になるとタカシを思って自分を慰めていた。
妄想の中で、何度も行った行為。それを今、私は本当にしようとしている。
 私の右手が、ゆっくりと滑るように、股間へと伸びた。目線では追わず、手だけで、な
ぞるように動かしていく。やがて指先が、ズボンの張っている所に触れた。躊躇うことな
く、指で布を押す。
『!!!!!』
 指先が、硬いものに触れて、私はビクッと手を引っ込めた。
『【さ……触っちゃった……とうとう……手で……触っちゃった……】』
 胸の鼓動は痛いくらいに激しく、胸も苦しくて、我慢出来ずにハアハアと息が荒くなる。
『【も……もう一回……】』
 ゴクリ、ともう一度喉を鳴らして、私は一度引っ込めた右手をもう一度動かす。
「かなみ。お前、どうし――」
『黙ってって言ったでしょ!!』

 タカシの言葉を遮って、私は鋭くそれを制止する。今は、何も言われたくない。ただ、
タカシだけを感じていたい。
 私は右手を今度は少し下の方へと動かす。指先が、何かフニッと柔らかい物に触れた。
タカシがビクッと体を固くする。その動きから、私はこれが何であるのか察した。
『【これって……もしかして……タカシの……金た……】』
 手の平で軽く、包み込むように触ると、親指と人差し指で軽く挟んでみる。弾力のある
何かが間にあるのが感じられた。
『【男の子って……こんなのが付いてるんだ……】』
 興味深くなって、しきりと指で弄んでみる。
「待てよ、おま……触んなって……」
 タカシがそれを拒否し、身を軽くよじる。男でも股間に触られて嫌だなんて事あるんだ
ろうか? 私はちょっと不思議に思った。けれど、私はもう、タカシのモノに触れてみた
い、という欲望を抑える事は出来なかった。
 右手で掬うようにして、股間の膨らみ部分を持ち上げる。すると、お腹の辺りに添えて
いた左手に、タカシのモノの先端がコツンと当たった。
『!!!!!』
 また、心臓がドキッとする。しかし、今度は私は手を引っ込めたりはしなかった。軽く
丸めていた手をゆっくりと開く。すると、私の左手に、その固いモノが包み込まれるよう
に入った。試しに、ちょっと指で押して感触を確かめてみる。
『【うわ……すごく……固くなってる……】』
 さっき、最初に触った時よりずっと、そのモノは固く、大きくなっていた。
「かなみ、おま……ちょ、待……何考えてんだって……」
 タカシの制止の声も弱々しい。きっと、動揺してるんだ、と私は思った。けれど、同時
に、タカシもきっと、本心では喜んでいるはず、という想いもどこかにあった。でなけれ
ば、こんな風にお……いや、その、あれが、固くなるはずがない。
 私はズボンの上から、左手でソレを優しく愛撫し、同時に右手でも玉を包み込んで感触を楽しむ。
「ハッ……バカ……止めろ……」
 またタカシが止めたが、もう私の耳には届かなかった。

『【タカシの……タカシの……なんだ……これが……】』
 ズボンの上からでも、何となく形が分かる。根元から先の方までゆっくりと指をなぞっ
て行くと、くびれのような部分に行き当たる。
『【ここが……気持ちいいのかな……】』
 親指で何度も擦ると、タカシの体がビクッと反応し、緊張で固くなる。
「や……めろって……かなみ……」
 どんどん、タカシのアレが固く、大きくなっていくのが分かる。
『【辛いのかな……? 苦しいのかな……?】』
 さっきまで……ブラを外して胸を露出するまで、自分が感じていたのと同じような感じ
をタカシも持っているのだろうか? だったら、早く解放してあげなければならない。
『タカシ……待ってて…… 今……楽にしてあげるから……』
 私は、ズボンのジッパーに手を掛けた。
『【い……いよいよだ……】』
 緊張の余り、手が震えた。もう、タカシのズボンのジッパーを下ろしただけでは出てこ
ないだろう。けど、ボタンも外せば、恐らく苦労なく取り出せるはずだ。緊張して、興奮
しているにも関わらず、何故かこういうところだけはしっかりと頭が働いた。
 息を詰め、ゆっくりと私はズボンのジッパーを引き下ろ――そうと――した。
 その時だった。
「やめろっ、かなみっ!!」
 タカシが鋭く怒鳴った。その語気の激しさに、私はビクッ、と手を離す。同時に、タカ
シがバッと身を翻して、私の腕から逃れ、そしてこっちを向いた。一瞬呆然となってタカ
シを見つめる私。その私を、驚きと戸惑いの視線で見つめつつ、タカシは言った。
「何やってんだよ、かなみ!! お前、一体どうしちま――」
 私に向けて発せられた質問が不意に途切れ、タカシはポカン、と私を見た。私は一瞬、
どうかしたんだろうか、と不思議に思い――それから、タカシの視線がどこを見つめてい
るかに気付き――そして今、私がどんな格好でいるかを――思い出した。
『い……いやああああああぁぁぁぁぁぁああああああああっっっっっっ!!!!!!』
 恥ずかしさの余り、絶叫を上げて私は、両腕でむき出しの胸を覆い隠すと、横向きに体
を丸めて、うずくまった。


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