・MONSTER HUNTER TD 第15話


普通仲間が無事にクエストから帰還した時はお疲れ様の一言くらい
くれてもいいもんだよな?
でもどうして俺は今現在椅子に座らされているんだ?しかも鎖で
ぐるぐる巻きにされてさ・・・
「よし、状況を説明してもらおうか?ブーン。どうして俺がお前にこんな目に
合わせられなければいけないんだ?」
俺は目の前で不敵な笑みを浮かべているブーンに問いただした。
「お前が場違いな行動に走ったからだ。解るか?」
いや、解りません。
「場違いって・・・どんな?」
「ん〜・・・そうだな、例えばツンデレスレにツンデレと全く関係ない
妄想が垂れ流されてるような感じだ」
「解りやすい説明どうも・・・」
正直俺がどんな場違いな行動をしたのかわからない。ただ、この前
柄にも無く真剣に戦ったことぐらいだが・・・
「よし、それじゃ俺が具体的に何をした?」
俺がそう言うとブーンは人差し指を立てて言った。
「まず一つ目、お前はドドブランゴを狩らずに捕獲したことだ。
何で捕獲した?正直お前なら奴を殺せただろ?」
「奴の強さには目を見張る物があったからな。だから研究材料に
捕まえておこうと思った。それだけだよ」
そう言うとブーンは納得したように頷いて今度は中指を立てた。
「それじゃ二つ目。どうしてお前は一人で奴と戦った?」
「そりゃ・・・一応俺はナイトなんだからさ、あそこで戦っておかないと
後々面倒になりそうだったし・・・」
俺がそう言った途端ブーンは大きく溜息をついて、呆れたように言い放った。
「お前な・・・別にお前が一人で闘うところなんて誰も期待しちゃいねーよ。
むしろお前が一人で闘うよりも仲間の傍にいてやったほうが良かったんじゃないのか?」
「まぁ・・・そうだけどさ?」
「お前がやったことはツンデレスレにツンデレ分の薄いバトル物のSSを投下したような
もんだ。ちったぁ空気読め」
「これまた解りやすい説明どうも」
正直コイツの言うことは正論が多いが他人の気持ちなんて全然考えやしない。
良くこんな奴がナイトになれたもんだと思う・・・
それよりさっきから誰か一人に対しての毒舌コメントな気がするんだが気のせいか?
しかも俺の首がどんどん絞まっていくような感覚までしてきたぞ・・・
言っておくが他人を罵ったり自虐したりするとツンデレに嫌われるんだぜ?
否、他人を罵るのがツンデレの役目か・・・・
「何一人でブツブツ言ってんだ?」
「あ、口に出てたか?」
「ああ、出てたぞ。ま、俺にしちゃ少しくらい空気読めないほうがお前っぽい
っていったらお前っぽいな」
それは褒めているのか馬鹿にしているのか気になったがあえて言わないようにしておこう。
「けど、流石に空気が読めない奴には少しばかり再教育が必要だな」
「再教育って・・・またアレをするのか!?」
「いや、一応ドドブランゴを捕獲したことは少なからずギルドにはプラスだ。
だから前よりも少しばかり軽めだな」
それを聞いたとき俺は心底安心したのか大きく安堵の息をついた。
だってさ、前やられたことといったら・・・もういいや、忘れよう。
「たっだいま〜!って何この状況?」
どうやらトモコが任務から帰ってきたみたいだ。
正直助けてくれと普通の人間なら頼むだろうが残念ながら前回の再教育にトモコも
ノリノリで参加していた。
だから救助なんて全く期待してはいないのだがな。
「タカシの空気の読めなさを改善するために再教育しようと思ってな」
「わ、おもしろそう!!」
おもしろそうってな・・・オイ・・・
しかも満面の笑顔で言うなよ。俺が傷つくのがそんなに見たいのか?
「しっかし『同じような目に合わせたくない』とか『今度からは俺が守ってやんよ』とか
随分と臭いセリフを言うようになったもんだな?オイ」
「ちょっと待て!何でそれを知ってる!?」
「ギルドナイトには諜報活動に最適な人間がいることを忘れたのか?」
あの爺さん盗み聞きしてたのか!?なんでナイトには変人しかいないんだ・・・
「さて、それじゃ再教育の始まりだ」
「イエーーーーイ!!」
イエーイじゃねーよ。これ拷問だぞ?言っておくけどさ・・・
「今回の内容はこのアルビノエキスをぶっ掛けます」
「あれ、それだけか?」
「ああそうだ。なんだ、もっとしてほしいのか?」
「いや、それで十分だ」
正直アルビノエキスをぶっ掛けるなんて大したことじゃない。
俺はそれを薬に混ぜて飲んでるんだから顔にぶっ掛けられたからって叫んだりしないしな。
「それじゃいくぞ〜それ!」
こうして俺の顔面にアルビノエキスが・・・ってクサッ!!!!!
「ちょww何だこれ!?滅茶苦茶生臭いし生暖かい!!」
「実はそれ3週間近く直射日光に当ててた代物だ。捨てようと思ってたんだがちょうど良かった」
マジでこの匂いは洒落にならない。この匂いは間違いなくアレの匂いだ・・・
「まだ余ってるな。よし、飲め」
「こんなん飲めるわけ・・・ンンー!ンンンー!!ゲホッ!ゲホッ!!苦ッ!」
もうね、なんかね・・・・やばい。
マジで苦いし臭い。それにこれ液体じゃない。もう固体だよこれは・・・・
「なんかエロイな・・・よしスケッチしておこう。そうだな、題名は・・・『白濁の恥辱』で決定!
なるほど、いいセンスだ」
もう勘弁してください・・・・

それから何時間か経ってようやく開放してくれたわけだが・・・
「うえ〜・・・気持ちわりい・・・・・」
ホント勘弁してほしい・・・
ブーンはスケッチをしててなかなか開放してくれないしトモコはこっちを向いて
ニヤニヤしているだけだし・・・
人生はツンデレだって言う人がいるけどあいつ等ツンデレじゃ無いよ。
明らかにデレが無いよ。
何とか家までたどり着いたわけだけど疲労が溜まってしまってどうにかなってしまいそうだ。
扉を開けたらツンデレがベッドの上に座ってないかな・・・全裸で。
「ただいま〜」
「・・・・・・・・」
ハイ、ベッドの上にいましたよ。メイが。一応全裸で。
それにしても最近メイの奴がやけに冷たい。
今だってただいまと言っても帰ってくるのはそっけない態度だけだ。
「メイ〜ご主人が帰ってきたんだぞ?お帰りの一言ぐらい言ってもいいじゃんか」
「残念ながらご主人にあげる言葉なんて無いニャ」
そう言うとメイはそっぽを向いてしまった。
「最近冷たいぞ。何かあったのか?」
「別になんでもないニャ」
何かあるな・・・今までカナミや纏さんと行動してきて『別になんでもない』は
絶対何かあるということを俺は学習しているのだ。仕方が無いな・・・
「メーーイ!」
「何だニャ・・・ってご主人何抱きついてるんだニャ!?放すニャ!!(//////)」
「お前が何で冷たいのか言うまで放さない」
しばらくメイは黙りこくっていたがしばらくすると話し出した。
「だって・・・最近ご主人命に構ってくれないのが悪いんだニャ。いっつもクエストに出かけてるし
帰って着たらすぐにナイトの仕事で出て行っちゃうニャ・・・」
なるほどね・・・流石にそれは俺のほうが悪いか。
「それにメイ影薄いって言われそうだし・・・寂しかったんだニャ・・・」
「そうか・・・ゴメンな。お前のことに気が回らなくて」
「やっぱりご主人は駄目だニャ。召使のことをきちんと見てないなんて」
随分言うな・・・まあきちんと理由も聞けたし一件落着だな。
「じゃ、仲直りのしるしにキスでもしようか」
「な!何でそうなるんだニャ!?話がかみ合ってないニャ!!(///////)」
「いいのいいの。メイ結構美人だからね。いや、美猫か」
「う〜〜〜〜ならちょっと待っててニャ(/////////)」
そう言うとメイはキッチンのある穴に入って何か薬のような玉を取り出してきた。
「メイ、それはなん・・・」
俺がそう言い終る前にメイはその丸薬を口に含み、途端にメイの体がどんどん大きくなっていった。
いや・・・人間になっていった・・・・
「その薬まだ残ってたのか・・・」
「それじゃ、続きをするニャ(/////////////)」
「ハハ・・・まあいいか」
メイがこっちに近づいてくるわけだが無論素っ裸なので自分のフルフルが目覚めてしまいそうである。
そしてとうとうメイの顔と俺の顔が近くなり・・・・
「タカシ、ちょっとい・・・い・・・?」
おや、何ということでしょう。このシチュエーションでカナミの登場です。
絶対に言い訳できませんよ。
「俺\(^O^)/オワアッーーーーーーーーーーー!!!!!」
ドンドルマは今日も平和です。多分・・・


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