ピアノのおけいこ　その２

・・・本番の日・・・

父「いよいよ本番だな。これまでの成果を見せる時だぞ、リナ」
リ『は、はい・・・』
父「リナなら荒巻の娘なんぞに負けんと信じているからな」
リ『もちろんですわ・・・』
父「じゃあ一番前で見ているからな。頑張れよ！」
リ『ありがとうございます・・・頑張りますわ・・・』

リ『・・・だ、大丈夫。緊張なんか・・・していませんわ・・・ｶﾞｸｶﾞｸ』
ﾎﾟﾝｯ
リ『ひっ！』
タ「おいおい、リストラされかけのリーマンじゃあるまいし、肩叩いたぐらいで驚くなよｗ」
リ『タカシ・・・来てくれましたの？』
タ「当たり前じゃん。リナの演奏聴きたいし」
リ『演奏を・・・聴きたい・・・？』
タ「おぅ。演奏するんだろ？だから聴きたい。それだけ」
リ『それだけ？・・・"頑張れ"とか、そういう言葉はありませんの・・・？』
タ「そんなこと改めて言わなくても、リナいつも頑張ってんじゃん」
リ『え・・？』
タ「毎日見てんだからわかるって。だから、いつもどおりの演奏聴かせてくれれば俺はそれでいい」
タ「リナの演奏、好きだからさ」
リ『す、好き！？(///)・・・ああ、演奏の方ですのね・・・』
タ「じゃ、俺そろそろ席に行くから。ちゃんとトイレには言っとけよｗｗｗ」
リ『バ、バカッ！(///)』
リ『・・・（でも、少し気が楽になりましたわ・・・ありがとう）』

・・・本番・・・

司会「では次は、荒巻スカ子さん。曲目はネッケのクシコス・ポストです！どうぞ！！」
ﾎﾟﾛﾛｰﾝ♪ﾎﾟﾛﾛｰﾝ♪
ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾛｰﾝ♪
タ「あれが言ってたライバルの娘か。・・・すげぇフサフサした顔だな」
タ「選曲はどうかと思うが、俺の耳でもうまいと思うな。実に勢いが感じられる」
客「ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ！」
司会「はい、荒巻スカ子さんの演奏でしたー！」
タ「次は・・・いよいよリナか。前の子がうまかったからなぁ、硬くなってそうだな・・・」
司会「次は、神野リナさん。曲目はリストの乙女の願いです！どうぞ！！」
リ『・・・（ｶﾞﾁｶﾞﾁｶﾞﾁ）』
タ「ああ、やっぱり・・・同じ側の手と足出して歩いてるよ・・・」
リ『（お、落ち着いて・・・深呼吸ｽｰﾊｰｽｰﾊｰ）』
リ『（ふぅ・・・少し落ち着きましたわ）』
父「リナ！頼むぞ！！」
リ『（お、お父様・・・！）は、はい・・・（ｶﾞﾁｶﾞﾁｶﾞﾁ）』
司会「さあどうぞ！」
ﾎﾟﾛﾛｰﾝ♪ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾛｰﾝ♪
ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾝ♪ﾎﾞﾍﾞｯ
リ『（・・・っ！）』
父「！！！」
タ「・・・俺でもわかるぐらい音外したな・・・」
荒「m9（＾Д＾）ﾌﾟｷﾞｬｰ!!」
司会「はい、神野リナさんの演奏でしたー！」

司会「では、結果発表です！！」
司会「優勝は・・・（ﾀﾞﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗ）・・・荒巻スカ子さん！」
客「ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ！」
荒「フヒヒヒ！」
リ『（うぅ・・・）』
父「リナ・・・なんということだ・・・orz」

・・・終了後・・・

リ『（どうましょう・・・お父様に合わせる顔が・・・ぐすっ・・・ひっく）』
タ「おぅ、リナ。お疲れ！」
リ『タ、タカシ！？（ｺﾞｼｺﾞｼ）・・・あの、私・・・』
タ「腹減ったろ？飯食いに行こうぜ！」
リ『え？』
タ「うまいラーメン屋があんだよ。今ならまだそんなに並んでないはずだし、ほら」
リ『え・・・いえ、でも・・・あの・・・』
タ「大丈夫、たまには奢るって」
リ『そういうことではなくて・・・』
タ「いいからいいから」

・・・ラーメン屋・・・

タ「すまねえな、お嬢様にラーメンなんかで」
リ『いえ・・・普段食べないのでかえって嬉しいのですけれど・・・それより・・・』
大将「へいっ、お待ち！」
タ「おっ、きたきた。ほら、のびないうちに食えよ」

ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞ
タ「かーっ！うめぇ！」
リ『（ﾁｭﾙﾁｭﾙ）おいしいですわね。それに・・・温まりますわ・・・』
タ「外寒かったもんなー・・・ｽﾞﾙｽﾞﾙ・・・ふぅ、うまかった」
リ『ごちそうさまでした』
タ「すまん、ちょっと便所行ってくる。待っててくれ」
タ「・・・っと、忘れ物」
リ『お手洗いにわざわざ携帯電話を持って行きますの？』
タ「置いといたら、覗き見されてエロ勧誘メールいっぱい来てるのバレるだろ？ｗｗｗ」
リ『なっ！・・・の、覗き見なんかしませんわ！(///)』
リ『電話でもなんでも持ってお行きなさい！(///)』
タ「はいはいｗ」
ｽﾀｽﾀｽﾀ
リ『（そんなメール・・・本当かしら・・・まさか・・・でも・・・///）』

タ「お待たせー」
リ『遅かったですのね』
タ「ああ、最近どうも切れが悪くてｗ」
リ『(///)バ、バカッ！・・・ところで・・・』
タ「さて、腹も膨れたことだし、次行くか」
リ『次？・・・そ、それって・・・』
リ『（まさか、カラオケに行こうとか言って実はいかがわしいホテルだとか・・・）』
リ『（そんな・・・私にも心の準備というものが・・・///）』
リ『（こんなことなら、もっと大人っぽい下着にしておけば良かったですわ・・・/////）』
タ「・・・あの、なに一人で赤くなってんの？」
リ『えっ！？・・・あ、いえその・・・ラーメンに辛子高菜を入れすぎましたわ(///)』
タ「今頃効いてきたのか？・・・まあいいや、行こう」
リ『あの・・・どこへですの？』
タ「ひ・み・つ（ﾆﾔﾘ）」


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