「じい、なんで私が騎士団の入団セレモニーなんか見学しなければならないわけ?」
「そう仰いなさいますな姫様。彼らの中には将来姫様の近衛騎士となる者もいるのですぞ」
「ふーん……あたしより強いかしら」
「姫様。『あたし』は禁止したはずでございます」
「……。じいは堅くって困るわ……」

「だめね。どいつもてんで弱いじゃない」
「むむ。どの者も名のある騎士の家系なのですが……それほど問題があるようには……」
「あたしより弱い奴なんかに近衛なんか任せらんないわよ」
「姫様……」

「次で最後でございますが……なんと平民の出であります。これは今回は見送りでございますかね」
「黙って。あの身のこなし……できるわ」


「姫様のご賢眼には感服いたしました。彼一人合格とは」
「言ったとおりでしょ。それにしても、平民か……」
「あの者が兜をおろしますぞ。……ほう、なかなか精悍な面構えでございますな」
「……。あの顔、どこかで……」

男が優雅に礼をし、場を辞した。

「じい。彼の素性は?」
「調べてございます。鍛冶師スカルチノフの息子、タカシと……」
「タカシ! まさか……。でも、あの顔、間違いない。じい。彼に決まりよ!」
「は? しかし、彼はへいみn……」
「黙りなさい。姫の言うことが聞けないわけ?!」
「いえ、ですが……」
(タカシ……ようやく見つけたわよ……これから楽しくなりそうね……ふふ……)←既に聞いていない
「姫様……」


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