一日目

ピンポーン
タ「おはよ、委員長」
は『おはようございます。ちょっと遅刻ですよ?』
タ「ん?いいじゃん、2〜3分くらい」
は『今からそんなんでは、先が思いやられます。明日からは気をつけてくださいね?』
タ「へいへい・・・。しかし、今日は暑いな。早く中にいれてくれない?」

は『言っておきますけど、勝手に部屋の物には触らないでくださいね?』
タ「そんな事しないって。宿題やりにきたんだからさ」
は『どうだか・・・別府君はイマイチ信用できませんから』
タ「ハッキリ言うなぁ。委員長ってさ、俺だけキツく当たらない?みんなには優しいのに」
は『別府君が私に迷惑ばっかり掛けるからです。そのくらい、理解して欲しいです』
タ「そんなつもりないけど・・・」
は『そっちにそのつもりはなくても、私には迷惑がい〜〜〜っぱい掛かってるんです』
タ「今度から、気をつけるよ」
は『(いよいよ・・・私の部屋で二人きり・・・ドキドキ////)』
タ「部屋、入ってもいいんだよね?」
は『え?あ、はい』
ガチャ
タ「・・・」
は『あ、あんまりジロジロ見ないで下さい』
タ「いや、予想はしてたけど・・・すげー本の数だな」
は『半分はお父さんから貰ったのですけどね。そこに座ってください』
タ「ん?あぁ・・・」
は『今飲み物を−』
母『いらっしゃ〜い、飲み物持ってきたわよ』
タ「あ、お構いなく」
は『お母さん!それは私がやるから』
母『え〜?お母さんも遥の未来の旦那様と仲良くなっておきたいもの』
は『ちょ、ちょっと!何変なこと言ってるの(////』
タ「へ?」
母『えっと、別府君よね?』
タ「はい、そうですけど・・・」
母『遥がね、学校の話となると、いっつも別府君が別府君がって、貴方の話ばっかりなのよ』
は『ち、ちがっ・・・そんな話、嘘です!全部違いますから(///』
タ「委員長、動揺すると余計怪しいぞ?」
は『べ、別府君は黙っててください!お母さんは用が済んだら出てって!』

母『分かったわよ。じゃぁね、別府君』
タ「はい」
バタン
は『はぁ〜・・・』
タ「委員長?」
は『は、早く宿題やりましょう!時間は待ってくれませんから』
タ「お、おう。とりあえず、数学から・・・かな?一番時間かかりそうだし」
は『じゃぁ、始めましょうか。分からないところとかあったらすぐに聞いてくださいね?』
タ「ん、そうするよ」
は『別府君じゃ、悩むだけ無駄ですから』
タ「んなことねーよ。こんなの楽勝だし」
は『前から疑問に思ってたんですけど、授業中寝てて、何でテストの点だけはいいんですか?』
タ「睡眠学習」
は『ぜ〜〜ったい、嘘ですよね』
タ「バレたかw俺、一夜漬け得意なんだ。短期間で一杯覚えるの」
は『それ、受験の時どうするんですか?』
タ「まぁ、1ヶ月くらいで詰め込めば大丈夫じゃない?」
は『そんなに甘くないですよ?落ちたらどうするんですか?』
タ「何?心配してくれてるの?」
は『違います!ただ・・・その・・・委員長として、クラスの人に適切なアドバイスをですね』
ミーンミンミンミー 
タ「お、セミが鳴いてる」
は『夏ですよ?セミくらい鳴きますよ』
タ「セミ、今年も元気だな・・・」
は『別府君!セミの事気にしてないで、目の前の問題を解いてください!』
タ「ん?あぁ・・・このセミが鳴き終わったらね。うるさくて集中できない」
は『はぁ・・・。これじゃ全然進まないですよぉ』

タ「ん・・・あぁ、疲れた」
は『疲れたって、別府君はセミの鳴き声を聞いてただけじゃないですか?』
タ「えー?ちゃんとやったって」
は『私は午前中で30ページ終わりましたよ?別府君はどうですか?』
タ「え〜っと・・・28ページの半分くらい」
は『え?ちょっと貸してください・・・ほ、本当だ・・・』
タ「ダラダラやるより、ビシッと集中してやれば、進みも速いんだよ」
は『む〜、それは私がダラダラやってると言いたいのですか?』
タ「いや、そうは言ってないよ。俺、字は適当に書いてるし。委員長のは綺麗で読みやすいだろ?」
は『あ、当たり前です!先生方がチェックするのですから』
タ「どうせ、中身なんぞ見ないで、やったかやらないかだけなんだから、字くらい適当でいいの」
は『別府君、そういうのは良くないと思いますよ?』
タ「ようはやれば良いんだって。委員長、飯にしよう」
は『別府君に食べさせるご飯なんてないです。勝手に好きなところで食べてきてください』
タ「俺はそうしたいんだけど・・・そろそろ来るかな?」
コンコン ガチャ
母『別府君〜、お昼つくったから。もちろん食べるわよね?』
タ「はい、遠慮なく頂きます」
は『お、お母さん!』

母『ねね、これさ、どう?』
タ「美味いっすね。おばさん、料理上手ですね」
母『もう、別府君ったら〜』
は『そうですよ、あんまり褒めないでください。す〜ぐ調子にのって、変な料理開発しだしますから』
母『おばさんじゃなくて、お義母さんって呼んでいいのよ?』 
は『!げほっげほっ・・・そ、そっちのほう?』
タ「え?じゃぁ・・・」
は『よ、呼ばなくていいです!早く食べて、続きやりますよ』
母『あ、そうね〜。早く二人きりになりたいかぁ。気がつかなくてゴメンね?(ニヤニヤ』
は『そ、そういう意味じゃないから!』

母『あとで長めの買い物に行ってくるから。お母さんの事気にしないで、やる事やっていいからね?』
は『だから違うってば!別府君とはそういう仲でも何でもないんだから』
母『へ・・・?やる事って宿題のつもりだったんだけど・・・?何だと思ったのかな?』
は『ふぇ!?あ・・・その・・・えっと・・・つ、つまり』
タ「あはは、委員長、これはお義母さんにしてやられたな」
は『わ、笑わないでください!別府君のバカ!』
タ「でも、委員長って、家では普通の女の子なんだね」
は『ど、どういう意味ですか?』
タ「いやさ、普段は同い年相手でも丁寧語使ったり敬語つかったりしてるじゃない?」
は『そ、それは・・・はい』
タ「だから、家ではどんなんだろうって思ってたんだよ。躾とか厳しいのかな?って」
は『全然、そんな事ないです。勝手な想像しないでください』
タ「ゴメンゴメン。でも・・・学校での委員長も良いけど、家での委員長も良いなって思って」
は『別府君・・・(///』
母『何だかんだ言って、お似合いねぇ。じゃ、あとは若い二人に任せて、お母さんはクールに去るわね』
は『だ、だから・・・違うって・・・(///』
タ「委員長、続きやろう?」
は『は、はい・・・』

タ「・・・」
は『(別府君は集中モードですか・・・これはこれでつまらないです。色々話したいな・・・)』
タ「委員長」
は『ふぁい』
タ「ふぁい?」
は『きゅ、急に声かけるからビックリしただけです!何ですか?』
タ「いや、さ。ただ漠然とやってるのも何だから、計画立てないか?」
は『計画・・・ですか?』
タ「うん。一日どのくらいやって、何日で終わらすって感じの」
は『そ、そんなの自分で決めればいいじゃないですか?』
タ「ん〜、そうなんだけどさ。委員長のペースに合わせれば間違いないかなって思って」

は『私のペースですか?ん〜・・・全部で5日間くらいでしょうか?』
タ「早いな・・・まぁ、頑張るか」
は『(あ、宿題が終わったら、こうやって二人きりになれなくなるのか・・・)』
タ「じゃぁ、1日2教科って感じで終わらせていけばいいかな?」
は『ま、待ってください。宿題とはいえ、2学期への予習の意味もあるので、じっくりやりましょう』
タ「え?すぐ終わらせた方がいいんじゃない?」
は『ダメです。そしたら何の意味も無いじゃないですか?』
タ「もともと罰則で増やされてるんだしさ。もう意味とかどうでも良くない?」
は『罰則でも、それを機会に勉強すればいいだけじゃないですか?もっと良い方向に捉えてください』
タ「長引くと、それだけ夏休みが減る訳じゃない?なんか委員長に申し訳ないから」
は『べ、別に乗りかかった船ですし・・・いまさら1週間2週間減ったところで何とも思いません』
タ「しばらく俺に掛かりっきりでも大丈夫なの?」
は『先生に頼まれてますから。しょうがないです』
タ「でもずっと一緒だと・・・ね?俺は良いけど・・・委員長も予定とかあるだろうし」
は『わ、私も別府君と一緒が良いんです』
タ「へ?」
は『そ、そういう意味じゃないですよ?その・・・予定も特にないし・・・ちゃんと見てあげないとだし』
タ「そうか。そろそろ時間だしさ、続きはまた明日・・・でいいかな?」
は『え?あ・・・もうこんな時間ですか』
タ「宿題のペースは委員長に任せるよ。俺が遅れたら家でもやるからさ」
は『わ、分かりました』
タ「んじゃ、帰るね」
は『あ、あの・・・』
タ「うん?」
は『な、なんでも・・・ないです』
タ「・・・委員長」
は『な、何ですか?』
タ「服の袖を引っ張られると、前に進めないんだけど?」
は『ご、ゴメンなさい・・・』

タ「・・・」
は『・・・』
タ・は「『あの』」
タ「な、何?」
は『べ、別府君こそ何ですか?』
タ「いや・・・えっと・・・も、もう少し・・・居ていい・・・かな?」
は『え?』
タ「あ、いや、その・・・宿題しかしてないしさ、もう少しおしゃべりとか・・・どうかなって?」
は『そ、そうですね。じゃぁ、お茶持ってきますから』
タ「うん、待ってるよ」

は『はぁ・・・ドキドキした。でも、思わず袖をつかんじゃうなんて・・・あぁ、恥ずかしすぎです(///』
ガチャ
は『お茶もってきましたよ』
タ「あ、悪いね」
は『あれ?何読んでるんですか?』
タ「ん?いや、本棚にあった本を適当に」
は『別府君が活字の本を読むなんて驚きです』
タ「だよね?何かタイトルに惹かれて、つい手に取ったんだけど」
は『ふ〜ん・・・どれどれ?』
タ「これだよ。なんか手書きっぽいんだけど」
は『(そ、それは、私が書いたやつ!?)』
タ「登場人物がタカシって・・・俺と一緒か」
は『そ、それは読んじゃダメです!』
タ「え?何で?」
は『な、何でもです!か、返してください!』
タ「わ、分かったから、そんなに」
どさっ
は『いたた・・・』
タ「いって〜・・・」

は『(!!!べ、別府君の顔が・・・ち、近い////)』
タ「何も押し倒さなくても・・・」
は『え?別府君が早く返さないのが悪いんです』
タ「い、委員長・・・」
は『な、何ですか?』
タ「ゴメン」
ぎゅ・・・
は『ふぇ!?』
タ「なんか・・・こうしたい」
は『(別府君が、別府君が、私を、私をぎゅ〜って・・・はわわわ////)』
タ「その・・・宿題さ、増えたの嫌だけど・・・い、委員長と二人で一緒に居られて嬉しいっていうか」
は『あ、あの・・・それって、つまり・・・』
タ「じ、実はさ、俺、委員長の事が」
コンコン ガチャ
母『別府君別府君、今日は豚肉が安かったの〜。晩御飯も食べていく?お父さん、今日は遅いみたい』
タ・は「『・・・』」
母『遅いみたいだから・・・ご、ごゆっくりどうぞ』
バタン
タ「・・・」
は『は、離してください』
タ「あ、うん」
は『変なところ見られちゃいました。最悪です、別府君のせいですからね?』
タ「ゴメン・・・」
は『はぁ・・・しばらくはこの話をチクチクされるんだろうな・・・』
タ「本当にゴメン」
は『謝られたって、もう遅いです』
タ「・・・」
は『きょ、今日は・・・もう・・・帰ってください』
タ「うん・・・じゃ・・・」
は『べ、別府君』

タ「うん?」
は『あ、明日は・・・遅刻しないように来てくださいね?(///』
タ「分かった。また明日ね?委員長」
バタン
は『はぁ・・・俺、委員長の事が・・・の後、何を言うつもりだったんでしょ?
  まさか、好きとか!?もう、お母さんが邪魔しなければ〜〜〜〜』
母『そのお母さんが来ましたよ』
は『お、お母さん!?』
母『さっきはゴメンね?さすがにそこまで行くとは思わなかったから』
は『ち、違うの!あれは事故であーいう感じになっただけだから』
母『でも、別府君からはしっから抱きしめられてたように見えたけど?』
は『み、見間違いだから、そんな事ないから』
母『そう?じゃぁ、そういう事にしておこうかな?あ、ご飯できてるから、食べよう?』
は『はーい』
母『晩御飯ね、結局お断りされちゃいましたよ』
は『別府君?まぁ、そこまでずうずうしくないって事じゃない?』
母『何言ってるの!遥と一緒に居られる時間を増やそうと、お母さんなりに』
は『はーいはい。明日も明後日も一緒なんだから、初日から飛ばさなくてもいいじゃない?』
母『そうね・・・、でもさ』
は『何?』
母『・・・』
は『お母さん?』
母『避妊だけは・・・ちゃんとするのよ?』
は『ぶっ』
母『ちょ、ちょっと!折角作ったお味噌汁吹かないでよ!』
は『お母さんが変なこと言うから!そんな事しません!』
母『え?避妊しないの?高校生でお母さんになるのは、想像以上に大変よ?』
は『そっちじゃなくて!もう・・・疲れるぅ・・・』
母『分かってるわよ、冗談よ、冗談』
は『ふーんだ・・・』

は『はぁ・・・そんな事しません・・・出来ません、の方が正しいかな?
  求められても、やっぱり恥ずかしくて拒絶しちゃうのかな・・・私』
プルルル プルル
は『電話だ・・・友ちゃんから?もしもし』
と『もしも〜し、どうだった?』
は『え?どうだった・・・とは?』
と『もう!とぼけちゃって・・・別府君よ、別府君』
は『え?あぁ・・・普通に宿題して・・・それだけですよ?』
と『本当にそれだけ?』
は『あ、当たり前じゃないですか?』
と『ふ〜ん・・・まぁ初日だもんね』
は『(いきなりぎゅーされたとか・・・恥ずかしくていえないです////)』
と『まま、頑張ってよ。何かあったら相談くらいには乗るから、連絡してね?』
は『はい、わかりました。ありがとうございます』
と『いーのいーの。んじゃね?』
は『はい、また〜』
ピッ
は『ふぅ〜・・・。よし、明日から頑張るぞ!えいえい、お〜〜〜〜!」


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