10日目

タ「・・・」
は『・・・』
タ「よし、国語終わりっと」
は『はぁ・・・できましたね』
タ「あと何が残ってるんだ?」
は『えーっと・・・公民です』
タ「公民?何やるの?」
は『んと・・・憲法を書き写す事です』
タ「マジ?全部!?」
は『いえ、好きなところを原稿用紙10枚程度に、らしいです』
タ「うげぇ〜・・・めんどくせぇ」
は『ぐちぐち言ってても原稿用紙は埋まらないです。さっさと始めますよ?』
タ「何だかんだ言っても、これでラストだもんな。おし、気合いれて頑張るか」
は『はい』

タ「・・・」
は『・・・』
タ「こ、これさ・・・」
は『なんですか?』
タ「地味に・・・辛くない?」
は『そうですか?私は全然平気ですけど』
タ「微妙に分かりそうで分かりづらい言い回しだしさ。なんか・・・こう・・・イライラする」
は『それはタカシさんが、日ごろから本を読んだりとかしてないからですよ?』
タ「それはいくらなんでも、関係ないでしょ?」
は『いーえ、あります。昔の書籍を読んだりすれば、こういう書き方ばっかりです』
タ「遥はそういう本も読むのか。すごいな」
は『そのくらい普通です。まったく読まないタカシさんの方が異常ですよ?』
タ「いや、普通読まないだろ?常識的に考えて」
は『ふ〜ん・・・私が非常識って言いたいんですか』
タ「そういう意味じゃなくてさ」
は『では、どういう意味なんですか?』
タ「ん〜・・・その・・・ゴメン」
は『はい、素直でよろしい』
タ「はぁ・・・結婚したら、絶対尻にしかれるな」
は『な・・・だ、誰がタカシさんと結婚するもんですか!!!(/////』
タ「・・・」
は『な、何ですか?』
タ「確かにさ、まだ付き合い始めたばっかりだしさ、そもそも俺たち高校生だしさ」
は『そ、そうですね』
タ「でも・・・俺、遥とずっと一緒に居たいと思ってる」
は『そ、それって・・・・』
タ「遥と結婚して、幸せにするのが俺のささやかな目標だよ」
は『た、タカシさん・・・』
タ「だから、冗談でもそういう事言って欲しくない・・・頭っから否定して欲しくない」
は『・・・あ、あの』
タ「な〜んてな、ちょっとシリアスモードになってみました」
は『むぅ〜・・・』
ぺちっ
タ「いって・・・何だよ?」
は『もう・・・真剣な顔して言うから・・・(ボソボソ』
タ「へ?」
は『あ、その・・・ちょ、ちょっと休憩しましょうか』
タ「遥から休憩っていうなんて、珍しいね」
は『こういう単純作業は、こまめな休憩を入れると能率があがるんです』
タ「へぇ〜、さすが。物知りだな」
は『こういうのは経験則でなんとなく分かるものじゃないですか?』
タ「あはは、考えた事もないや」
は『タカシさんは・・・普段何も考えてないクセに、そういう事は考えてるんですね?』
タ「ん?何が?」
は『何でも無いです!』
タ「あ、あのさ、飲み物取ってくるから、待っててね?」
バタン
は『はぁ・・・嬉しいのに・・・なんで素直に嬉しいって言えないのでしょうか?
  私も、タカシさんとずっと一緒に居たいですって・・・ちゃんと言えればいいのに・・・』
ガチャ
タ「もってきたよ〜・・・どしたの?暗い顔して」
は『・・・別に』
タ「具合悪いとか?」
は『違います・・・ちょっと・・・考え事してただけです』
タ「悩みすぎは良くないぞ?人生は前向きに行こうぜ」
は『タカシさんは能天気すぎです。もう少し悩んでもいいはずですよ?』
タ「失礼な、俺だって悩みくらいあるぞ?」
は『へ〜・・・例えば?』
タ「後で買いに行くアイス、イチゴ味にしようかメロン味にしようか」
は『・・・』
タ「それとも、暑いけどから揚げ食べるか、それとフライドチキンにしようかとか」
は『ぷっ・・・あははは、何ですか、それ?全部食べ物じゃないですか?』
タ「ん?あ・・・そういえばそうだな」
は『本当に能天気ですね・・・そこまでくれば、羨ましいですよ』
タ「ウェルカム能天気ワールド。この世界で遥も悩むの止めよう?」
は『その世界に住むくらいなら、舌噛んで死にます』
タ「酷ぇな・・・噛むなら俺にくれよ」
は『あ、上げるわけないじゃないですか?だいたい、何に使うんですか?』
タ「ん〜・・・味わう」
は『へ?あじわ・・・ん!?』
ちゅ・・・ ちゅくちゅく・・・
は『ふにゃぁ・・・(///』
タ「んぁ・・・はるかぁ・・・」
は『たかしさん・・・(////』
タ「味わっちゃった」
は『ふ、不意打ちなんて卑怯ですよぉ〜・・・いきなりなんて最低です(//////』
タ「だって、噛むなんて言うから。こういうちゅーできなくなったら、もったいないじゃない?」
は『ほ、本当に噛む訳ないじゃないですか!』
タ「え?そうだったの?いやぁ、騙されたなぁ〜」
は『むぅ〜〜〜、知っててやりましたね?タカシさんのえっち!変態!ばかぁ!』
タ「はいはい、休憩はこのくらいにして、続きやろう?終わらないよ?」
は『ず、ずるいですよぉ・・・もう!』

タ「っと・・・これで最後の1枚」
は『・・・』
タ「これ1枚で長い道のりともやっとおさらば、ゴールって訳だな」
は『やっとタカシさんのお守りから開放されます。これでせいせい・・・です』
タ「ず〜っと、入りびたりだったからな。いや、本当に迷惑掛けたよ」
は『本当ですよ、まったく・・・そもそも』
ぽたっ ぽたっ
タ「いまさら言わなくても・・・」
は『そもそも・・・ぐすっ・・・校長先生のはなし・・・きかないで・・・ひっく・・・』
タ「は、遥?」
は『それで・・・宿題・・・増えて・・・一週間ちょっとで・・・や、やらなきゃで・・・』
タ「ど、どしたんだよ?」
は『ぐすっ・・・一緒にやることに・・・ぐすっ・・・なって・・・それで・・・』
タ「・・・」
は『喧嘩したり・・・したけど・・・ひっく・・・お、お付き合い・・・できて・・・ぐすっ・・・
  また・・・ぐすっ・・・ぐすっ・・・喧嘩して・・・仲直りして・・・ぐすっ・・・』
タ「遥・・・」
は『料理失敗して・・・ぐすっ・・・なのに・・・おいしいって・・・いっぱい・・・いっぱい・・
  ぎゅって・・・してくれて・・・ひっく・・・ちゅーもして・・・でも・・・でも・・・』
ぎゅ・・・
タ「・・・」なでなで
は『しゅだい・・・ぐすっ・・・おわっちゃう・・・ぐすっ・・・そしたら・・・ずっと・・・
  いっしょに・・・いれなく・・・そんなの・・・やだぁ・・・ふぇぇぇん』
タ「大丈夫だよ、遥。終わっても、一緒に居よう?」
は『ぐすっ・・・ひっく・・・ほんと?』
タ「あぁ、本当だよ」
は『うれしいよぉ・・・タカシさん・・・だいすきです』
タ「俺も好きだよ。大好き」なでなで
は『ふぇぇぇん・・・タカシさん・・・タカシさ〜ん』

タ「落ち着いた?」
は『は、はい・・・。お見苦しいところを見せて、すいません(///』
タ「いや、遥の気持ちがよくわかったから良かった」
は『あ、あれは・・・その・・・ちょっと感極まって・・・き、気の迷いです(///』
タ「でも、泣き出したのはびっくりだったけど」
は『うぅ〜〜・・・わ、忘れてください!(////』
タ「そりゃ無理な相談だな」
は『そ、そうやって、人の弱みに付け込むなんて最低ですよ?』
タ「悪かったよ」
は『あ、当たり前です。まったく・・・』
タ「でもさ・・・」
は『何ですか?』
タ「こうやって、ぎゅってしたままの状態で忘れろは無いだろ?」
は『だって・・・タカシさんが離してくれないんですもの(////』
タ「俺、手を添えてるだけで、力いれてないよ?」
は『・・・いいんです、このままで』
タ「そうか。でも、宿題は?」
は『空気読めってやつですよ?』
タ「・・・ゴメン」
は『・・・ちゅーして・・・ください』
タ「はい?」
は『な、何度も言わせないでください(////』
タ「いや、どうしてまた?」
は『そうしないと、タカシさんが宿題に手を付けられないからです。困ったものですね・・・』
タ「いや、俺は別に」
は『ですよね?』 
タ「う・・・はい」
は『それじゃ・・・しょうがないから・・・ん』
タ「うん」
ちゅ・・・
タ「ん・・・」
は『・・・』ジー
タ「どしたの?」
は『・・・何でもないです』
タ「いや、何か言いたげな上目遣いだから・・・」
は『別に・・・』
タ「あ・・・そういう事?」
は『さぁ?私、よくわからないです』
タ「遥」
は『はい?・・・ん・・・』
ちゅ・・・ くちゅくちゅ・・・
タ「ふ・・・」
は『んは・・・』
タ「こういう事でしょ?」
は『・・・はい(///』
タ「しかし、これ気持ちよすぎるな。もっかいしていい?」
は『・・・やーです』
タ「ダメ?」
は『そうやって、宿題を先延ばしにする気ですか?まったくタカシさんは・・・』
タ「悪かったよ。宿題やるってば」
は『(気持ちよすぎてクセになっちゃいそうです・・・そしたら集中できなくなりますから///)』  

タ「・・・」
は『・・・』
タ「ね?最後の一文字は一緒に書かない?」
は『子供みたいな発想ですね・・・しょうがない、一緒にゴールしてあげますか』
タ「んじゃ、せーので」
は『はい』
タ「せーの」
カリカリ
タ「終わった〜〜〜〜」
は『お疲れ様です』
タ「これで明日出せば完璧だな」
は『そうですね』
タ「終わったらさ、デートしようぜ」
は『え〜?ダメですよ、少しは体を休めないと』
タ「いいじゃん、それは後回しで」
は『本当に子供ですね。しょうがない、付き合ってあげますよ』
コンコン ガチャ
母『何か騒がしいけど終わったの?』
は『うん、今終わったところ』
母『そう、お疲れ様。いまね、スイカ切ったから。食べよう?』
タ「あ〜、いいですね、スイカ」
は『一杯食べ過ぎて、おなか壊さないでくださいね?』
タ「大丈夫だってば」

母『明日はどうするの?』
は『タカシさんが迎えに来てくれるので、二人で行きます』
母『そう、分かったわ。それじゃいつも通りに起こすから』
は『うん。それじゃ、おやすみなさい』
母『おやすみ』
は『(明日でいよいよ・・・か・・・)』


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