6日目

タ「ん〜・・・朝か・・・いつつ・・・頭いてぇ・・・」
は『あ、やっと起きましたか?まったく、お寝坊さんですね・・・』
タ「委員長・・・今何時?」
は『・・・』
タ「ん?」
は『そういう別府君、嫌いです』
タ「な、なんでだよ?」
は『なんで委員長、な〜んて呼ぶんですか?』
タ「あ、そうか。俺たち付き合ってるのか」
は『そ、そんな大事な事忘れちゃうんですか!?たった、一晩で?』
タ「いや、嬉しすぎてさ・・・夢じゃないかなって思って」
は『・・・』
ぺちっ
タ「いって・・・何だよ?」
は『痛いですよね?夢じゃないって事です』
タ「だからって、デコピンする事ないだろ?こっちは二日酔いで頭痛いってのに・・・」
は『ふ〜んだ、ちょうど良い眠気覚ましになったんじゃないですか?』
タ「酷いなぁ、それが彼氏にする事か?」
は『彼氏って言うなら、彼女の機嫌を損ねる事はしないでください』
タ「分かったよ・・・」
コンコン ガチャ
父「・・・」
タ「あ、おはようございます」
父「・・・」
スッ
は『ん?何これ?』
バタン
タ「何も言わずに出てっちゃったな。何渡されたの?」
は『ん・・・映画のチケットみたいですけど?』

タ「どれどれ・・・本当だ。つか、当日券かよ!?」
は『えぇ!?ほ、本当だ・・・』
タ「えっと・・・今日見に行けってって事か?」
は『ちょっとお父さんに聞いてきます』
コンコン ガチャ
母『グッモ〜ニング♪』
は『あ、お母さん』
タ「おはようございます」
母『タカシ君、お風呂の準備できてるから。あと、これお父さんのだけど着替えね』
は『お父さんが映画のチケット渡してきたんだけど・・・』
母『あぁ、それ?タカシ君は二日酔いで宿題できそうにないから、だったら遊びに行って来いって事よ』
は『で、でも、急にそんな事言われても』
タ「だよな・・・」
母『お父さんは口下手だから何も言わないけど、二人の事色々考えてるのよ?』
は『え?』
母『宿題ばっかりでデートとかしてないんだろ?勉強はどうでもいいから、遊んで来い。って事』
タ「さすが夫婦ですね、言わなくても分かるんだ」
母『伊達に長年連れ添ってないわよ』
タ「仲良くていいなぁ。うちの親なんて喧嘩してばっかりですよ」
母『べ、別に仲が良い訳じゃないわよ?あんな愚図、私しか構ってあげられる人いないし(///』
タ「あはは、やっぱり親子だ」
は『どういう意味ですか?』
タ「いや、遥とお義母さんが似てるって事だよ」
は『え〜?お母さんと・・・私が?』
母『私、遥みたいに大人しくないも〜ん』
は『こっちだって、お母さんみたいに、いい年してはしゃいだりしないもん』
タ「二人が争ってる間に、俺はお風呂を借りますかね」
母『何よ?』
は『お母さんこそ!』
 
タ「・・・」
は『・・・』
タ「いや、映画・・・気持ちは嬉しいんだけどさ」
は『時代劇・・・ですか』
タ「ま、まぁ・・・とりあえず見ようか?何事も経験だし・・・」
は『時代劇は本でも読まないし・・・タカシさんと二人で見るっていうだけでも嫌なのに』
タ「ん、今のは聞き捨てならんぞ?」
は『だって、どうせ寝ますよね?』
タ「う”・・・」
は『はぁ・・・反論くらいしてください。本当にダメ人間ですね』
タ「ね、寝ないよ!なんなら、感想文書いてもいいぞ?」
は『はいはい。もうすぐ時間なので行きましょうか』
タ「おう!絶対起きててやるぜ」

は『ぐすっ・・・うぅ』
タ「俺、あーいうの弱いんだよ」
は『目みえなくなっちゃって・・・それでも、それでも・・・』
タ「かっこいいよ!男には譲れないものがあるんだよ!」
は『タカシさん・・・』
タ「遥・・・」
ぎゅ・・・
タ「俺、目が見えなくっても、遥の事好きって気持ちは忘れないからな!」
は『タカシさん、私も何があってもついていきます』
タ「・・・」
は『・・・』
タ「な、何かさ・・・周りの視線が痛い・・・気がする」
は『ふぇ?わ・・・は、離してください』
タ「お、おう」
は『もう!タカシさんのせいで、変な人に思われたじゃないですか!』
タ「お、俺のせいなの?」

は『あ、当たり前です!あんな・・・あんな恥ずかしい事いうから・・・つい私まで乗せられて・・・』
タ「遥だって、ノリノリだったじゃんか」
は『ち、違います!一人ではあまりにも可愛そうだったので、付き合ったまでです』
タ「じゃぁ、同罪じゃない?」
は『いーえ、タカシさん一人が悪いんです』
タ「ちぇー、そうかよ」
は『そうです』
タ「・・・しかし、感謝しないとな」
は『そうですね、時代劇だからってだけで、つまらないって思ってましたから』
タ「お義父さんは何を想ってこれを見させたんだろう?」
は『え?それは、映画の内容を考えれば・・・』
タ「考えれば?」
は『ふ、夫婦の・・・(///』
タ「夫婦の?」
は『た、タカシさんも見たじゃないですか?だったら、自分で考えてください』
タ「えー?遥はどう思ったのか知りたいじゃない?」
は『こ、こういうのは自分で答えを見つけるものです。人に頼っては意味がありません』
タ「ん〜それは正論っぽいな」
は『私はいつも正論しかいいませんよ?』
タ「そうか?」
は『な、何ですか?もしかして違うと言いたいですか?』
タ「いや、そうじゃないけど」
は『映画もですけど、そうやって疑いを持つといらない誤解を生んで、結果』
タ「分かったよ、悪かった。遥は正しいよ」
は『分かればいいんです』
タ「しかし、見せたい理由ってなんだろうな・・・?信念を持てってことかな?」
は『(きっと・・・お互いの信頼と・・・夫婦の・・・愛・・・かな?////)』

タ「お、夕日が綺麗だな。雲がピンク色だ」
は『あの高台の公園に行けば、もっと良く見えるんじゃないですか?』
タ「よし、行ってみよう」
は『はい』

タ「おー、すっげ・・・」
は『絶景ですね・・・』
タ「身近にこんな場所があるとは・・・」
は『新しい発見ですね。これもお父さんに感謝です』
タ「・・・なぁ?」
は『はい?』
タ「目・・・瞑って?」
は『え?』
タ「だから・・・目を閉じて?」
は『・・・はい』
タ「・・・」
は『・・・(ドキドキ』
ちゅ・・・
タ「ふっ・・・」
は『・・・ん』
タ「はるか、好きだよ」
は『タカシさん(///』
タ「もう少しさ、ここに居ないか?」
は『では・・・あの夕日が沈むまで』
タ「・・・」
は『・・・』
タ「俺、遥の事大切にするから。だから・・・ずっと一緒に居ような?」
は『それなら、一緒に居られるように勉強とか色々頑張ってくださいね?』
タ「ははは、手厳しいな」
は『(私も・・・私も一杯頑張りますから///)』

タ「それじゃ・・・また明日」
は『くれぐれも、遅刻しちゃダメですからね?』
タ「分かってるよ」
は『それでは・・・』
タ「あ、待って」
は『はい?』
タ「その・・・えっと」
は『男のクセに、うじうじと・・・みっともないですよ?』
タ「は、恥ずかしいんだよ。だから・・・またねのちゅー・・・したい」
は『ま、またねのちゅー!?だ、ダメです!』
タ「ダメか」
は『ご近所に見られたら恥ずかしいです』
タ「ん・・・そうだね。あはは、ゴメン」
は『もう少し時と場合を考えてください』
タ「いや、ちょっと憧れてたかたら。それじゃ」
は『はい、また明日』

は『まったく、タカシさんには困ったものです。でも・・・ちょ、ちょっと・・・したかったかも(///』
母『何をしたかったって?』
は『お、お母さん?』
母『アンタ達付き合ってるんでしょ?ちゅーくらいしなさいよ』
は『み、見てたの!?』
母『子供の成長を見守るのも親の務めだからね♪』
は『お母さんの場合は、ただの覗き!』
母『失礼ね・・・親としての監督責任をまっとうしてるだけじゃない』
は『はぁ・・・付き合ってらんないわ』
母『ちょっと!ねぇ?聞いてるの?』
は『(明日もタカシさんと一緒・・・明日もちゅーできるといいな////)』


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