その14

〜〜冬休み七日目 冷たくて熱い氷上の妖精たち・・・な〜んてね、ですよ?〜〜

−冬休み七日目−

は『べ、別府君・・・も、もうだめです・・・あっ・・・だ、だめ・・・』
タ「委員長、頑張ろう?もう少し・・・もう少しだから」
は『ん・・・あっ・・・だ、だめ・・・お、お願いです、もう無理です』
タ「あとちょっと・・・もうちょっとだから」
は『あっ・・・ふぁぁぁ』

ずてん

タ「い、委員長、大丈夫か?」
は『ふぇぇぇ・・・痛いですぅ』
タ「あと5mくらいで転ばないで1週出来たのにな」
は『む〜・・・手!』
タ「あ、悪い。ほい」
は『はぁ・・・最悪です。スケートなんて、二度とやりたくないです』
タ「いやいや、最初に比べれば全然上手くなったよ。案外才能あるんじゃない?」
は『そ、そんな訳ないです』
タ「最初はスケート靴を履いて、立つ事もままならない。そう、生まれたての仔馬のように震えて」
は『誰が仔馬ですか!バランス取るのが難しいんです!』
タ「歩くのもままならなくて、ここまで俺の腕をぎゅってしながら来て」
は『あ、あれは、そうでもしないと歩けないからで・・・(///』
タ「最初にリンクに立って、すぐに転んで」
は『こ、こんなに滑るなんて思わなかったから・・・』
タ「それが今は、普通に滑れるようになったじゃない?」
は『まだ1週もできてませんけど』
タ「大丈夫、次はちゃんとできるよ」
は『・・・そうですか?』
タ「うん」
は『・・・じゃぁ、もう1回だけ』
タ「んじゃ、張り切って行こう」
は『わっ、ひ、引っ張らないで下さい!は、速い速い、ふぇぇぇ・・・』

ぐしゃ

タ「あっ・・・」

は『もう最低です』
タ「ゴメンって、そのまま壁にぶつかるなんて思わなかったから」
は『いきなり手を離すなんて酷いじゃないですか?』
タ「勢いがあった方が安定するからさ」
は『そんなの知りません』
タ「あ、そうだ。休憩しよ?飲み物買ってくるからさ。何がいい?」
は『・・・温かいミルクティー』
タ「分かった。んじゃ行ってくるね」
は『(はぁ・・・私ってば、本当に運動神経ないんですね・・・全然上手く滑れないです)』

タ「お待たせ」
は『はぁ・・・』
タ「委員長・・・疲れちゃった?」
は『ふぇ?あ、その・・・別に』
タ「・・・ゴメンな?俺のワガママにつき合わせちゃって」
は『え?』
タ「ほら、あそこ見て。あそこのカップル」
は『二人とも綺麗に滑ってますね。凄いです』
タ「何かさ、二人であんな感じで滑れたら楽しいのかなって」
は『どうせ私は運動オンチですよ〜だ』
タ「いや、そうじゃなくてさ。何でも良いんだけど、二人で何か凄い事したいなって」
は『だからって、スケートなんて』
タ「それは謝るよ。でも、俺は勉強とか頭使う方だと足引っ張っちゃうからさ・・・」
は『別府君・・・』
タ「冬休みだし、そういう事できたら良い思い出になるかなって思って。本当にゴメン」
は『・・・』
タ「帰ろうか」
は『・・・やーです』
タ「え?」
は『そうやって、すぐ諦めるのが別府君の悪いところです』
タ「い、いや、でも―」
は『このまま帰ったら、嫌な思い出しか残らないじゃないですか?』
タ「委員長・・・」
は『休憩は終わりです。続きやります』
タ「大丈夫なの?」
は『別府君は休んでれば良いんじゃないですか?私は一人でも出来ますから』
タ「ちょ、ちょっと待っ」

どしゃ

は『・・・ぐすっ』
タ「ほら・・・立って」
は『そうですよね・・・私がダメなのがいけないんですよね?』
タ「んな事ないって。向き不向きがあるんだし、スケートを選んだ俺が悪いんだって」
は『いーえ、違います。デキの悪い別府君の得意分野に合わせられない私がいけないんです』
タ「何でそうなるんだよ?俺が委員長の得意な事できれば良いんじゃないの?」
は『そんなの、やるだけ無駄ですから』
タ「んな・・・そこまで言うか?」
は『えぇ、言いますよ』
タ「もう・・・怒った。そこまで言うなら、お望みどおりにしてやる」
は『え?あ、その・・・』
タ「要は、俺と委員長が二人で凄い滑りができれば良いんだよな?」
は『そ、そうですけど・・・そんなの、私ができませ・・・きゃっ』
タ「ふふ、こうやって、お姫様抱っこで滑れば良い訳だ」
は『ちょ、ちょっと!離してください!み、みんなこっち見てるじゃないですか!(/////』
タ「ダーメ。ほら、動くよ」
は『ふぇ・・・わっ、だ、だめ・・・ふぇぇぇ・・・』
タ「ぎゅって抱きついて、可愛いな」
は『べ、別府君に抱きかかえられてるから、怖いんです(///』
タ「なぁ・・・このままちゅーしようか?」
は『な、何考えてるんですか(///』
タ「思い出作り?」
は『だ、だからって・・・とにかく、降ろしてください(///』
タ「やだ。ちゅーしたら考えなくも無い」
は『うぅ・・・別府君の意地悪』
タ「委員長は軽いから、何週でもいけそうだなぁ・・・」
は『そ、そんな・・・』
タ「どうする?」
は『・・・します(///』
タ「やった」
は『はぁ・・・強要されました。最低です』
タ「その割には、ちょっと楽しそうじゃない?」
は『そ、そんな訳ないじゃないですか!(///』
タ「はいはい・・・じゃ、あの辺りの人が少ないあたりで」
は『わ、分かりました』
ぎゅ・・・
タ「うん?強く抱きしめてきて・・・どうしたの?」
は『い、イチイチ聞かないでください!まったく、デリカシーがないんですから』

タ「じゃ・・・いいかな?」
は『す、スピード落としてください』
タ「うん・・・はい」
は『じゃ、じゃぁ・・・』
タ「委員長・・・じゃなくて、遥」
は『タカシさん・・・』
ちゅ・・・
タ「ぷはっ・・・遥、好きだぞ」
は『わ、私も・・・です(///』
子「あー、ちゅーしてる!すげー」
子『らぶらぶ・・・です・・・』 
は『わーわー、ち、違うの。こ、これは無理やりね?(///』
タ「二人もラブラブなんだろ?じゃ、しちゃえよ」
子「え?じゃぁ・・・ちーちゃん」
子『ほんとは・・・いやだけど・・・しょうがない・・・とくべつ・・・してあげる』
は『わっ・・・本当にしてます・・・』
タ「子供は影響されやすいな。あはは」
は『あはは、じゃないです!降ろしてください』
タ「あと1週したらね〜」
は『もう・・・ばかぁ(////』

タ「・・・」
は『まったく、ここまでバカだとは思いませんでした』
タ「いや、さすがにお姫様抱っこで3週とかやり過ぎだったな。全身が痛い」
は『自業自得です』
タ「で、でもさ・・・また行こう?ね?」
は『ま、まぁ・・・その・・・一人で普通に滑れるようになるまでは・・・行ってあげなくもないです(///』


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