その18

−冬休み十一日目−

は『ん・・・朝・・・』
タ「くぅ〜・・・」
は『タカシさんはまだ夢の中でしょうか?』
タ「・・・」
は『おはようございます、タカシさん』
ちゅっ
タ「ん・・・」
は『これでも起きないなんて・・・呆れちゃいますね』
つんつん
は『彼女が起きて待ってますよ?』
タ「う〜ん・・・ん・・・」
は『はぁ、これでもダメですか。しょうがない、先にシャワー浴びてきちゃいますか』

タ「ん・・・いい匂い」
は『やっと起きましたか?』
タ「おはよ、遥」
は『おはよじゃないです。何時だと思ってるんですか?』
タ「・・・8時。いつもならまだ寝てる時間だよ」
は『今日は初詣に行くんじゃないんですか?もっとシャキッとしてください』
タ「何か良い匂いしてるけど・・・?」
は『お雑煮です。タカシさんのお母さんが準備して行ってくれてました』
タ「そっか」
は『あ、そうだ。新年明けましておめでとうございます。今年も―』
タ「その挨拶、日付変わった直後に聞いたけど」
は『え?』
タ「忘れちゃったの?」
は『そ、そんなはずは』
タ「ん〜・・・あんときは、妙なテンションだったからね」
は『そ、それはタカシさんだけです。私はいたって冷静でした』
タ「冷静?本当に?」
は『もちろん』
タ「じゃ・・・挨拶した時の事覚えてる?」
は『・・・』
タ「えっとね、確かこんな感じでさ・・・」

は『う、嬉しいです・・・初めて・・・タカシさんと・・・上手にできました(///』
タ「俺も、嬉しいよ」
ちゅ・・・
は『ん・・・』
タ「日付変わったね、明けましておめでとう」
は『おめでとうございます。今年もよろしくです』
タ「うん」
は『あ、あの・・・今の感覚を忘れないうちに・・・もう1回・・・』
タ「え?あはは、案外遥もえっちだな」
は『ち、違います!お勉強もですが、反復することで身に付くんです。ですから、仕方なくです』
タ「何が仕方なくかは良く分からないが、いいよ」
は『えへへ・・・タカシさ〜ん(///』

は『い、いい加減な事言わないで下さい!(///』
タ「本当だってば。しかも、その後もおねだりが続いて」
は『わーわー、それはタカシさんの妄想です!私じゃありません(///』
タ「だって・・・ゴミ箱の中身が真実を語ってるわけで。ほれ、使用済みのが」
は『こ、こんなものまで・・・用意周到ですね』
タ「俺は推理物に出てくる犯人か」
は『犯罪者って意味では間違いないんじゃないですか?主に性犯罪の方ですけど』
タ「酷いな・・・あんだけ愛し合ったのに」
は『あ、愛し合ったとか・・・恥ずかしい事言わないで下さい!(///』
タ「ちぇー、今年も相変わらずですか」
は『と、とにかく!昨日のお話はこれまでです。冷めないうちに、お雑煮を食べてください』
タ「はいはい・・・」

タ「よし、行こうか」
は『はい』
タ「毎年ね、近くの神社に行ってるんだよ」
は『この辺に神社があるなんて初めて知りました』
タ「あはは、結構ちっさいからさ。でも、そこそこ人は来るよ」
は『めんどくさがりのタカシさんが、毎年初詣に行ってるのもびっくりです』
タ「1年の始まりだしね、ちょっとくらい信心深い気持ちにもなるのさ」
は『そうですか』
タ「ついたよ、ここ」
は『・・・』
タ「どうした?」
は『まさか・・・あれが目当てじゃないですよね?』
タ「あれ?・・・ちょ、違うって」
は『最低です』
タ「そ、そりゃ確かに、毎年ちょっと・・・いや、ほんの少しは楽しみにしてるけど」
は『そうですよね、タカシさんは変態さんですものね・・・』
タ「いや、巫女さんはそういうんじゃ・・・違うって、俺はそういう属性ないから」
は『言い訳ですか?本当に男らしくないです・・・好きなら好きと、堂々と言えばいいじゃないですか?』
タ「いいの?」
は『好きにすれば良いじゃないですか?』
タ「じゃぁ・・・遥」
は『何ですか?』
タ「遥が大好きだ」
は『ふぇ・・・?』
タ「世界で一番・・・遥が好きだ」
は『あ、その・・・そ、そんな真顔で言わないで下さい(///』
タ「堂々と言えって言ったのは、遥の方だよ?」
は『えっと・・・その・・・あ、お賽銭入れましょ?願掛けしないと(///』
タ「誤魔化したな?まぁいいけどさ」

パンパン
タ「・・・」
は『・・・』
タ「ふぅ・・・」
は『・・・』
タ「長いな」
は『ふぇ!?そ、そんな事ないですよ?』
タ「何をお願いしたの?」
は『な、内緒に決まってるじゃないですか?人に話したら効果ないんですよ?』
タ「初めて聞いたぞ、それ」
は『と、とにかく、秘密です(///』
タ「そっか」
は『(素直になれますように、とか・・・ずっと一緒に居られますように、とか・・・言えないです///)』
タ「俺は言ってもいいけど」
は『え?』
タ「いやさ、俺はお願い事じゃないから。何ていうか・・・決意って言えばいいのかな?」
は『決意・・・ですか?』
タ「今年はどういう1年にするか、神様の前で誓うのさ。こうする、あーするって」
は『はい』
タ「何かお願い事するのは、本当に困った時・・・ほら、困った時の神頼みっていうじゃない?」
は『タカシさんから、そんな真面目な言葉が聞けるなんて・・・槍でもふるんじゃないでしょうか?』
タ「と、とにかく、そんな感じなの」
は『それで・・・どんな1年にしたいんですか?』
タ「遥ともっとえっちな事を」
は『た、タカシさん!(///』
タ「あはは、冗談だって。・・・大好きな人を守り通しますってね」
は『な、何ですか?・・・つ、つまらないですね(///』
タ「面白い答えを期待していたの?」
は『ち、違います!もう、知りません』
タ「な、何で怒ってるのさ?ねぇ?」
は『ふ〜んだ・・・そんなの自分で考えてください!(///』

タ「じゃ、この辺で?」
は『あんまりお家の近くだと、親戚の人にみられちゃうので』
タ「そのくらいいいじゃんか・・・」
は『ダメです』
タ「はいはい、分かりましたよ」
は『それじゃ・・・夜くらいにメールしますね』
タ「おう、じゃぁまたね」
は『・・・あ、あの』
タ「うん?」
は『・・・今年だけじゃなくて、ずっと・・・守ってくださいね?』
タ「まかせろ、一生かけて守ってやる」
は『タカシさんが、なんて不安ですけど・・・他にいないし、しょうがないです』
タ「他のやつには任せる気はないぞ?」
は『もう・・・ばかな事ばっかり言うんですから(///』
タ「ダメか?」
は『だ、ダメじゃないです・・・嬉しいです(///』


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