その4

〜〜入学式の後 初めての大失敗ですよ?〜〜

−入学式 放課後ちょっと前−

は『と、と、友田さん!』
と『友ちゃん』
は『と・・・友ちゃん』
と『な〜に?』
は『えっと・・・えっと・・・』
と『落ち着きなって。はい、深呼吸』
は『すぅー・・・はぁー・・・』
と『はい、用件をどうぞ』
は『べ、別府君と・・・その・・・あの・・・い、い、一緒に帰る事に・・・』
と『あー、そうね。なんか奢ってもらうんでしょ?』
は『え・・・?何で・・・知ってるんですか・・・?』
と『だって、みーてーたーもーん』
は『えぇぇ!?』
と『私が委員長と良く解らん奴を二人きりにする訳ないでしょ?』
は『でしたら、近くに居てくれても・・・』
と『二人だけの方が話しやすいかなって思ってね。読み通り仲良くなったみたいだし』
は『な、仲良くなんてなってません(///』
と『良いじゃないの、同じクラスなんだし』
は『あんないい加減な人となんか・・・ちっとも良くなんかないです』
と『委員長・・・ちょっと変わったね』
は『はい?』
と『さっきまでの委員長なら、人の悪口なんて絶対言わなかったし』
は『そ、それは別府君があまりにも』
と『あぁ〜・・・なるほどね。そっか、そっか〜・・・うんうん』
は『な、何を納得したのですか?』
と『女が変わる時は、大抵男絡みだからね』
は『べ、別に、別府君の事なんて好きでも何でもないです(///』
と『いきなり恋に落ちたか』
は『絶対の絶対のぜ〜ったい、違います(/////』
と『おぉ、委員長の大声を初めて聞いた。凄まじいまでの別府君効果ね』
は『ですから―』
と『はいはい、分かったから』
は『分かってないですよぉ・・・』
と『で本題は、初めての帰宅イベント。フラグの立て方教えて、でしょ?』
は『フラグ・・・?』
と『委員長の事を好きになってもらうって意味よ』
は『ち、違います!』
と『じゃ、何を聞きたいの?』
は『私、男子とあんまり話しとかしたことないから・・・どんな話しをすれば良いのかと』
と『面接じゃあるまいし。適当で良いのよ』
は『その適当がわからないのです』
と『真面目ねぇ・・・奢ってもらうなら、好きな食べ物の話しとか?』
は『なるほど・・・食べ物・・・っと』
と『ちょっと、メモしないの。それ見て話すつもり?』
は『いけませんか?』
と『はぁ・・・。その場の雰囲気とかあるし、臨機応変にやらないと』
は『臨機応変・・・っと』
と『だから、メモしないの』
は『は、はい』
と『もう、なんとか男のデート前か』
は『で、デートじゃないです!ただ、一緒に帰って寄り道するだけです!』
と『分かってるわよ。興奮しないの』
は『友ちゃんが変な事言うからですよ…』
と『ていうか、仲良くなりたくないなら、どうでも良い話題で良いんじゃない?』
は『で、でも・・・』
キーンコーンカーンコーン
と『あ、休み時間終わっちゃった』
は『え!?次の説明受けたら、今日は・・・終わりでは』
と『委員長、ガンバ』
は『ふぇぇ・・・そんなぁ』

タ「ん〜〜、やっと終わった。委員長、行こうか?」
は『え?あ、あの・・・先に行ってて下さい』
タ「まだ用事残ってるの?」
は『その・・・二人で一緒に教室からでたら・・・みんなに怪しまれますから・・・』
タ「そうか?」
は『そうです。しかも、別府君とだなんて嫌過ぎます』
タ「もしかして、まだ怒ってる?」
は『怒ってません。普通です』
タ「そう・・・。じゃ、先にあるコンビニにいるから」
ガラガラ ピシャ
は『はぅ〜・・・また酷い事言ってしまいました。私、どうしちゃったんでしょ?』

は『確か・・・ここだったでしょうか?』
タ「あ、来た来た」
は『お待たせしました』
タ「うぅん、待ってないよ」
は『嘘ばっかり・・・私が別府君の後に教室を出たのは20分後です』
タ「計ってたのかよ?」
は『た、たまたま・・・時間を覚えていただけです』
タ「とりあえずさ、外行こう?」
は『は、はい』
タ「何か食べたいものとかある?」
は『べ、別に・・・何も・・・』
タ「そう言われちゃうと・・・」
は『あ、あの・・・』
タ「はい?」
は『す、好きな・・・食べ物は何ですか?』
タ「は?」
は『あ、いえ・・・何でもないです・・・』
タ「好きな食べ物か・・・甘いのとか割と好きかな?チョコとかクッキーとか」
は『チョコ・・・クッキー・・・女の子みたいですね』
タ「あはは、だよね。委員長は?」
は『わ、私ですか?えーっと・・・』
タ「案外、焼き魚とかだったりして」
は『ど、どういう意味ですか!』
タ「いや、適当に言ってみただけだよ。で、何が好き?」
は『べ、別府君なんかに教えたくないです』
タ「自分から聞いといて、そう言うか」
は『話題の一つとして聞いただけです。私だって、別府君の好みなんか興味ないですし』
タ「そ、そうですか・・・」
は『あ、あの・・・さ、最近は・・・イチゴ大福が好きかも・・・です』
タ「え?」
は『わ、私が言わないのは不公平だと思っただけです。知って欲しいとかじゃないですから・・・』
タ「そうなんだ。最近、美味しい和菓子屋さん見つけたんだ。そこに行ってみようよ」
は『え?あ・・・はい』
タ「委員長も甘いの好きなんだ。そっかそっか」
は『う・・・ニヤニヤしないで下さい!だ、だから言うの嫌だったんです・・・(///』
タ「あはは、別に良いと思うけどなぁ」
は『む〜〜・・・』
タ「ていうかさ・・・さっきからすっげー気になってたんだけど」
は『何ですか?』
タ「いや・・・俺と委員長の距離が・・・かなり離れてないか?」
は『ほ、他の人に見られても・・・たまたま同じ方向を歩いていただけって言えるようにです』
タ「そんなに俺と一緒は嫌なの?」
は『あ、当たり前です』
タ「そう言われるとな・・・よっと」
は『ち、近寄っちゃダメです』
タ「何でさ?」
は『だ、だって・・・だって・・・』
タ「委員長・・・顔赤いけど大丈夫か?」
は『き、気のせいです!そんな事ないです!』
タ「そうか?なら良いけど・・・」
は『(ふぇぇぇ・・・だから近寄って欲しくなかったのに・・・顔赤いのバレちゃいました・・・)』
タ「委員長?本当に平気か?」
は『(はぅぅ、別府君の顔が・・・顔が・・・すっごく近くに・・・だ、ダメ・・・恥ずかしいよぉ///)』
タ「どうしたの?さっきから俯いたままで・・・?」
は『ご、ごめんなさい・・・わ、私・・・ダメ・・・やっぱり・・・さよなら』
タ「お、おい、ちょっと、どこへ・・・ちょっと待った!」
ゴチン
は『いったぁ・・・なんでこんなところに電柱が?』
タ「いや、自分から当たりに行ったんだよ」
は『ふぁ、べ、別府君!?』
タ「そんなに驚かないでも。つか、頭打ったみたいだけど、大丈夫か?」
は『だ、大丈夫です!べ、別府君と一緒にいるよりも全然平気です』
タ「そ、そんなに俺と一緒に居たくないの?」
は『もちろんです』
タ「・・・俺、帰るよ」
は『え?あ、その・・・』
タ「ゴメン、無理やりつき合わせちゃって」
は『ち、違うんです、そういう意味じゃなくて』
タ「あはは、良いんだよ。考えて見れば、こんなのおかしいもんね」
は『・・・』
タ「じゃ、じゃぁ・・・また明日」
は『はい・・・また・・・明日です』

は『どうして・・・あんな事言っちゃったんでしょ・・・どうして・・・』
と『委員長?』
は『友ちゃん・・・なんでここに?』
と『え?あはは、たまたま・・・うん・・・たまたまだよ』
は『そ、そうですか』
と『それよりさ、どうしちゃったの?別府君、帰っちゃったみたいだけど?』
は『私が酷い事言って・・・別府君の事、傷つけちゃいました』
と『え?』
は『わ、私・・・ぐすっ・・・どうして良いのか・・・ぐすっ・・・』
と『追いかければ追いつくよ?』
は『え?』
と『悪い事しちゃったって思うなら謝ろう?まだ大丈夫だから』
は『いいんです・・・また酷い事言って・・・傷つけちゃ・・・う・・・から・・・ぐすっ・・・』
と『・・・』
は『自分が傷つくのは我慢できるのに・・・なんでこんなに心が痛いんでしょう・・・』
と『それは、委員長が優しいからだよ?』
は『友ちゃん・・・ぐすっ・・・ぐすっ・・・うぅ・・・』
と『よしよし。きっと別府君は気にしてないからさ?元気だそう?』
は『ふぇぇぇ・・・嫌われちゃったに決まってます!私なんて・・・私なんて・・・ふぇぇぇぇん』
と『はりゃぁ・・・こりゃ重症だわね。困ったなぁ・・・』


前へ  / トップへ  / 次へ
inserted by FC2 system