その7

〜〜冬休み1日目 たまには違う私もいいものですよ?〜〜

−冬休み1日目−

タ「おはようございます」
母『あら、タカシくん、いらっしゃい。ささ、あがってあがって』
タ「お邪魔します」
母『もう、遠慮しないで。自分の家だと思っていいのよ?』
タ「じゃ、じゃぁ・・・ただいま?」
母『おかえりなさい』
タ「何か恥ずかしいですね」
母『うふふ、お母さんもちょっと照れちゃうわね』
は『ちょ、ちょっと、タカシさん!』
タ「あ、遥。おはよ」
は『おはよじゃないです。宿題しにきてるんですから、早く私の部屋に来てください』
母『あー・・・そうねぇ。ゴメンね、相変わらず気が利かなくて』
タ「いえいえ、こちらこそ。じゃ、また後で」
母『今日も頑張ってね〜』

は『もう・・・来たと思ったら、いつまでも部屋に来ないなんて最低です』
タ「ちょっとお義母さんと話してただけじゃない?」
は『そんなの、後でもいいじゃないですか?』
タ「でもさ、お義母さんにも少なからず迷惑掛けてる訳だし・・・ちゃんと挨拶くらいはさ」
は『そうですか、分かりました。私よりお母さんの方を気にするんですね』
タ「そういう意味じゃないよ」
は『じゃぁ、どういう意味なんですか?』
タ「いや、何ていうか・・・」
は『ほらやっぱり・・・』
タ「そんなに早く俺に会いたかったの?」
は『そ、そんな訳ないじゃないですか!(///』
タ「じゃぁ、5分やそこら遅くてもいいじゃない?」
は『冬休みは短いって昨日も言ったじゃないですか?ですから、無駄な時間は―』
タ「遥」
ぎゅ・・・
は『ちょ、ちょっと、まだお話は終わってないです(///』
タ「ゴメンね?遥の気持ち考えないでさ。やっぱり、好きな人には1秒でも早く逢いたいよね?」
は『そ、そんな・・・別にタカシさんになんて・・・』
タ「じゃぁ、なんで怒ってたの?宿題の事は建前だって事位、俺にだって分かるよ」
は『建前じゃないです、本音です』
タ「だって・・・冬休みの宿題なんて大した量じゃない・・・今日にでも終わっちまうよ?」
は『・・・』
タ「遥・・・ちゃんと言ってよ?」
なでなで
は『ぐすっ・・・』
タ「な、泣いてるの?」
は『私・・・ダメなの』
タ「え?」
は『素直になろうって・・・でも・・・ついつい・・・』
タ「大丈夫、俺は気にしてないから」
は『嫌なの!タカシさんの優しさに甘えて・・・いつまでも自分を変えられない』
タ「ったく、分かってねーな」
は『ふぇ?』
タ「そんな委員長を好きになったんだよ?だから、遥が無理して変えるなよ」
は『で、でも』
タ「確かに素直な方がいいさ。でも、それは本当の遥じゃないと思うんだ」
は『本当の・・・私?』
タ「俺の好きな音無遥って人は、素直じゃなくて泣き虫で意地っ張りなんだよ」
は『そ、それって・・・貶される気がするんですが?』
タ「そういう所も含めて大好きなの」
は『・・・ばか(///』
タ「あぁ、バカで結構だね」
は『そういうときは、ちょっとは良いことも言うものですよ?』
タ「そうなの?でも、良くない所が好きって言われた方が嬉しくない?」
は『べ、別に・・・。だいたい、タカシさんに言われたって』
タ「あはは、やっと元の遥に戻った」
は『え?』
タ「素直な遥なんてらしくないよな。なんかおかしいって言うかさ」
は『そ、それって・・・どういう意味ですか!』
タ「え?」
は『どーせ私は素直じゃありませんですよーだ』
タ「でも、好きだぞ」
は『そんな所が好きなんて・・・タカシさんこそおかしいんじゃないですか?』
タ「俺は好きな人の欠点も長所に見えるの」
は『何ですか、その都合の良い性格・・・もう怒っちゃいました』
タ「いや、悪気があった訳じゃ」
は『今日は、タカシさんの言う「おかしい私」で行きます』
タ「いや、無理しなくても」
は『いーえ、なんかそこまで言われたら、やり返さないと気がすみません』
タ「あ、その・・・しゅ、宿題やろ?ね?」
は『・・・』
タ「はるか・・・ちゃん?」
は『やーです』
タ「な、何?」
は『せっかく、たー君と一緒なのに、宿題なんてやーです』
タ「た、たー君?」
は『ね、もっとぎゅってして?』
タ「遥、本当にどうした?」
は『もう・・・遥じゃなくて・・・もっと可愛く呼んでよ?』
タ「え?じゃ・・・はーちゃん?」
は『うん、それで良いよ』
タ「え、えっとさ・・・その・・・」
は『ちゅーしよ?ね?』
タ「いや・・・それは素直っつーか、ぶっ壊れ過ぎだろ」
は『たー君からしてくれないなら、私からしちゃうぞ?』
タ「ちょ、ちょっと待って!うわっ」
どしゃ
タ「あつつ・・・押し倒された」
は『えへへ、たまにはこういうちゅーもいいかな?』
タ「あ、えっと・・・んん!?」
ちゅ・・・
は『ぷはっ・・・』
タ「遥・・・」
は『む〜、はーちゃんって呼ぶの!』
タ「はーちゃん、もうやめよ?」
は『やーだー。今度はディープなちゅーしちゃうもん』
タ「わ、悪かったよ。俺が悪かったから」
は『たー君は私とちゅーするの嫌なの?』
タ「そ、そんな訳じゃ・・・」
は『ふぇぇぇ・・・嫌だよ。私、たー君に嫌われたくなよぉ』
タ「わ、分かったよ。俺もはーちゃんとちゅーしたい」
は『ぐすっ・・・本当?』
タ「うん、本当」
は『えへへ・・・嬉しいな(///』
タ「ん〜・・・なんか、こういうはーちゃんも可愛いっていうか・・・有りだと思ってきた」
は『じゃぁ・・・しよ?』
タ「うん」
は『何か私からするのって・・・ドキドキしちゃう・・・(///』
タ「さっきもしたじゃん?」
は『あれは勢い。・・・んと・・・たー君』
タ「はーちゃん・・・」
コンコン ガチャ
母『お茶まだだったわよね?今日はダメって言われてないから着ちゃいまし・・・』
は『・・・』
タ「・・・」
母『ご、ごゆっくりどうぞ』
バタン
は『きゃぁぁぁ!み、見られちゃいました!わ、私から、ちゅ、ちゅーしようとしてる所!』
タ「そ、そうだね」
は『そうだねじゃないです!お母さんに見られたなんて最悪です』
タ「あれ?今日は素直なはーちゃんじゃないの?」
は『そ、その名前は金輪際口にしちゃダメです!』
タ「え?何で?」
は『な、何でもです!言ったら、嫌いになりますから!』
タ「わ、分かった。言わない・・・言わないから」
は『はぁ・・・はぁ・・・しゅ、宿題やりますよ!』
タ「は、はい」

は『はぁ・・・今日は疲れました』
母『ね、ね、さっきはゴメンね』
は『むぅ・・・』
母『いや、少しはそういう事してるかなって期待はあったわよ?』
は『や、やっぱりワザとなの?』
母『違うわよ、毎回たまたまよ、たまたま』
は『タイミングを見計らったとしか・・・』
母『でもやるわね。押し倒して、ちゅーしようとしてるなんて』
は『あ、あれは・・・その・・・そう、罰ゲームです。でなきゃ、私からなんて・・・』
母『じゃー、そういう事にしてあげるわ(ニヤニヤ』
は『ニヤニヤしないでよ!もう・・・お母さんのばかぁ(///』


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