序
古い夢――
「そこのあんた! そう、あんたよ、あんた。なまえをおしえなさいよ」
「たかし……タカシね。よし、タカシ! あんたはきょうからわたしのけらいよ!」
――懐かしく、楽しかった日々
「ほらほら、さっさとあるく! なーに、もうつかれたの? だらしないわねー!」
――夢のように楽しい日々
「こら! なかないの! だいじょうぶよ、きっと、かえれる、からぁ……ぐすっ……」
「タカシをおこらないで! わるいのはわたしなの! だから……」
「かあさまがね、もう、タカシとあそんじゃだめだって……いやだよぉ、そんなの……」
――そして、夢の終わり
「タカシ! タカシ! わすれないから、わたし、あんたのことわすれないからっ!」
「タカシ! タカシぃぃっ!」
――そして、現実に戻るとき……私は何を見つけるのだろう……
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