・MONSTER HUNTER TD 第3話

ここ、セメクーア砂漠は『乾きの海』と言う別名を持っている。
なぜなら、太陽光線が直に降り注ぐ乾燥した地帯にもかかわらず
魚竜種や甲殻類などの水生生物が大量に生息しているからだ。
これはあくまで俺の推測に過ぎないが昔はここも海だったのではないだろうか?
「タカシィ!!さっさと援護しなさい!!!」
物思いにふけっているとカナミから野次が飛んできた。
「おぉ、スマンスマン」
俺はボウガンのスコープを覗き照準を合わせ、引き金を引いた。
弾丸は今回の獲物であるダイミョウザザミへと直進し、そして命中する。
前なら俺が攻撃するなんてことは無かっただろうな・・・
数ヶ月前フルフルの狩猟に出てからというもの、カナミの俺に対する扱いが少し変化したのだ。
まず、俺が獲物に攻撃をする許可が出たということ。
恐らく少しばかりは俺を仲間として認めてくれたということだろうか?
そして、二つ目は支給品の回復薬を独占しなくなったという事だ。
時には全部俺に持たせようとすることもある。無論、そんなことをするのは命取りだし、
カナミだってそのことは承知しているはずなのに・・・
そんな俺の悩みもお構いなしと言わんばかりにカナミはザザミをタコ殴りにしていく。
今回の獲物は全身が甲羅で覆われているのでハンマーはかなり有効だ。
身を守る爪やヤドはすでに破壊されてしまっている。
「テェイ!!!」
カナミのハンマーはダイミョウザザミの頭を粉々に叩き割った。
獲物は頭から青色の血を流し、乾いた砂の上に巨体を沈める。
「グッジョブ、カナミ」
「へっへ〜ん私にかかれば簡単ですよーだ」
その挑発には自然と嫌味は含まれていなかった。
「それにしてもすごいな・・・2日間で15体・・・一体何を目指してるんだ?」
「べっ・・・別にアンタには関係ないでしょ!!(/////)」
何故そこで反発する?それに暑さのせいか顔が赤い。
「でも、あんま無理しすぎるなよ。親父さんみたいになったら後戻りはできんぞ」
その言葉を言ったとたんカナミの表情は少し暗くなった。
「わかってるわよ・・・そんなこと・・・」
ハンターという職業は体や精神にかなりの負担をかける。
何針も縫う大怪我を負う可能性もあるし、毒に犯されることもある。
様々な土地に赴くため、環境の変化に対応しきれないこともあるし、
その土地特有の病気にかかることもある。
仲間の死がストレスとなり精神に害を及ぼすこともある。
カナミの父も高名なハンターだったが、体が負担に耐え切れず亡くなった。
「まぁ、カナミだったら大丈夫か」
「それどーゆー意味よ!!」
「そのまんまの意味だよ」
次の瞬間カナミのクックジョーが腹にめり込んでいた。
「イタタ・・・それで殴るのやめろよな・・・そのうち死んじまうぞ」
「アンタだったらラオシャンロンに踏まれても死にはしないわよ」
「褒め言葉として受け取っておこうか・・・」
最近俺は自分の心境が変化してきているように感じる。
元々俺は一人でいることが好きな性格の癖に気づくといつも一緒にいる。
幼馴染とはいえ散々俺に悪態をついているし、自由も許してくれないような奴とだ。
一緒にいるのが嫌ならとっくに縁を切っていると思う。
もしかしたら俺はコイツのことを割りと好きなのかもしれないな・・・
クエストから帰還した日の夜、誰かが家のドアをノックしてきた。
「メイ〜、出てくれ」
返事がない・・・そうだ、どっかに出かけるといってたな。
「(ったく、面倒くせーな・・・)誰だ?」
「私よ・・・」
ドア越しに聞こえた声はカナミのものだった。
けどなんだかいつもの覇気がない・・・
「なんだカナミか・・・入ってもいいぞ」
そして部屋に入ってきたのはザザミシリーズ(剣士用)に身を包み、
その防具の色に負けないぐらいに顔を真っ赤にしたカナミさんだった・・・
「カナミ・・・その格好・・・」
「これ・・・どうかな・・・(///////)」
「どうって・・・似合ってるよ」
「本当!?・・・って別にアンタのために作ったわけじゃないんだから!!
ただ私が着たかっただけなんだからね!!!勘違いしないでよ!(/////////)」
成る程・・・どうりでザザミを狩りまくってたわけだ・・・
しかし・・・なんだ?この俺の心にど真ん中ストライクな格好は・・・
「な、なによ・・・(/////////)」
「蟹を食べるにはまず殻をむかないとな・・・」
「え?ちょっと、それ・・・キャッ!(//////////////)」

(省略されました。続きを読むにはボーンククリでラオシャンロンを討伐してください。)


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