4日目
は『今日は、中休みって事でこの宿題にしましょう』
タ「は?文庫本?」
は『はい、読書感想文です』
タ「これって自由選択じゃないの?やらなくてもいいんじゃ・・・」
は『普通はそうですけど、これもやらなきゃダメみたいですよ』
タ「小学校以来、書いてないよ。ぶっちゃけ、書き方わからん」
は『とりあえず、本を読んでください。それからです』
タ「まずそこから躓きそうなんだが」
は『大丈夫、別府君でもすぐ読めるくらいの薄さの本をチョイスしました』
タ「ん〜・・・逆に薄すぎて感想文書けないんじゃない?」
は『まぁまぁ、いいからいいから。遥直伝感想文の書き方を教えちゃいますから』
タ「委員長・・・なんかノリノリじゃない?」
は『え?そ〜んな事ないですよ?うふふふ』
タ「とりあえず、読むかぁ・・・」

タ「・・・」
は『(はぅぅ・・・別府君と二人で読書できるなんて夢みたいです。嬉しいよぉ・・・///)』
タ「・・・ふぁぁ」
は『ちょ、ちょっと別府君!あくびですか?』
タ「え?あ、いや・・・別につまんないとかじゃなくて、ちょっと読みなれてないから・・・」
は『はぁ・・・これだから。困ったものです』
タ「あはは、悪いね。でも、もう少しだから。いまクライマックスだ」
は『読み終わっても忘れないように、真剣に読んでくださいね?』
タ「はいはい」
は『(真剣に本を読む別府君・・・かっこいいですぅ////)』
タ「そういえばさ」
は『ひゃ、ひゃい』
タ「ひゃい?」
は『い、いきなり別府君が声掛けるからです。びっくりしたじゃないですか!』

タ「いや、悪い・・・」
は『それで・・・なんですか?』
タ「委員長は、今読んでる・・・その分厚いので書くの?」
は『私ですか?私は以前読んだので書きました』
タ「・・・書きました?」
は『はい、普段から書く練習してますので。だから、終わってますよ』
タ「・・・それ、俺にも一つ」
は『もぉ〜、すぐ楽する事ばっかり・・・ダメですからね?』
タ「分かったって。ほい、終了だ」
は『本当にちゃんと読みました?』
タ「大丈夫だって」
は『じゃぁ、質問していいですか?』
タ「いいぜ、どんとこい」
は『どのシーンが一番印象に残りました?』
タ「ん〜、主人公が何日も掛けて巨大な魚と格闘してやっと釣り上げるとこ」
は『釣り上げたとき、どう思いました?』
タ「え?そりゃ、こっちもやったぜ!って思ったよ」
は『ふむふむ・・・。他には?』
タ「あとアレだな、結局港に戻る途中で他の魚に食べられちゃうの」
は『それを読んでどう思いました?』
タ「ん〜、人生なかなか上手く行かないもんだなって思った」
は『もし別府君なら、どうしました?』
タ「俺か?そりゃ・・・他の魚に食べられる前に、俺が食べる」
は『・・・生で?』
タ「だって、せめて味くらいは味わいたいじゃない?」
は『そうですか・・・。ちょっと、びっくりしました』
タ「え?そうなの?」
は『だって、普通食べるなんて、あはは・・・ないですよぉ』
タ「そ、そうかな?」
は『おかしい・・・ぷぷっ・・・あはは・・』

タ「いや、素直な感想なんだから。そんなに笑わなくてもいいじゃんか?」
は『あはは、ゴメンなさい。はい、これ』
タ「これって、いま委員長が取ってたメモ?」
は『そうです。これを10倍くらい大げさに書けば読書感想文の出来上がりです』
タ「え・・・そうなの?」
は『読書感想文は難しくないですよ?本を読んで、ただ感想を書けばいいんですから』
タ「いや、いざ原稿用紙に向かうとさ・・・」
は『じゃ、パソコンのメモ帳か何かに書いて、それを写せばいいんじゃないですか?』
タ「あ、そうか。そうすれば辞書で漢字調べる手間もないしな」
は『では宿題の宿題にします。明日持ってきてくださいね?』
タ「うん、分かった。いやぁ、こんなに簡単だとは思わなかったよ」
は『まだ出来てないじゃないですか?それを言うのは明日ですからね?』
タ「はーい」
コンコン ガチャ
母『別府君、お昼にしよ?』
タ「へ?あ・・・あんまりご馳走になってばっかりも気が引けるんで・・・」
は『いいんですよ。お母さんはお母さんで楽しんでるんだし』
母『ふふふ、そういう事。なんたって、遥の旦那様だもの。ちゃ〜んとお持て成ししないとね』
は『お、お母さん!』
タ「あはは・・・」
は『別府君も笑ってないで、なんか言ったらどうですか?』
タ「喜んでご馳走になります、お義母さん」
母『は〜い♪』
は『べ、別府君!(///』

タ「・・・今日はこの辺にしておこうか?」
は『ん・・・もうこんな時間ですか』
タ「時間を忘れるって事は集中できてるって事だよな」
は『(別府君と一緒にいられて楽しいからなんだけどな・・・)』

タ「今日は読書感想文のおかげで、あんまり疲れたって気がしないな」
は『漫画とか雑誌以外の本もいいものでしょ?』
タ「ん〜・・・」
は『何ですか?』
タ「やっぱ、俺は漫画でいいやって」
は『はぁ・・・これだから・・・』
タ「いや、つまらないって訳じゃないよ?たださ・・・なんか想像力が膨らみすぎて」
は『いい事じゃないですか?』
タ「なんていうか、ここでこうしてればこういう展開になって・・・とか色々考えすぎちゃうんだよ」
は『そうなんですか』
タ「そうするとほかの事に集中できなくなっちゃうからさ。だから、漫画とかで十分」
は『勿体無いですね・・・』
タ「へ?」
は『そうやって色々考えるのも含めて楽しいんじゃないですか?』
タ「だからさ・・・」
は『ま、別府君みたいにキッチリ頭を切り替えられない人ならしょうがないです』
タ「悪かったな・・・」
は『でも、夏休みとか時間が一杯あるときならいいんじゃないですか?』

タ「いや、遊ぶので忙しいから」
は『それは忙しいといいません!』
タ「あはは、そうだな」
は『塾の夏期講習に行くとか、習い事をするとか、何かまともな予定はないんですか?』

タ「無いね。白紙?」
は『という事は、無駄に夏休みを過ごす訳ですか』
タ「寝坊、昼寝、夜更かし。これが夏休みの有意義な過ごし方じゃないの?」
は『違います!』
タ「そう怒らなくてもいいじゃない・・・冗談なのに」
は『そうやってダラダラすごすと、2学期が大変になりますよ?』
タ「分かってるって」
は『(宿題終わったあとも、これを口実に一緒に遊びに行ったりできるかな・・・?///)』

は『はぁ〜・・・今日も一日、充実してたなぁ・・・』
プルルル プルルル
は『友ちゃんから・・・もしもし』
と『やっほ〜、元気になった?』
は『あ、その・・・はい』
と『そかそか、心配したんだぞ?』
は『ゴメンなさい・・・です』
と『で、どう?別府君とはどこまで進んだ?』
は『進んだって、何も進んでないですよ』
と『えー・・・でもでも、もうキスくらいしちゃったんでしょ?』
は『してません』
と『じゃぁ、ぎゅーくらいはした?』
は『・・・し、してないです』
と『あ、言葉に詰まった所を見ると、ぎゅーはしたんだな?』
は『そ、そんな・・・』
と『そっか〜、やるなぁ。で、どっちから?別府君から?』
は『な、内緒です(///』
と『ふふふ、認めたな?これはお守りとして渡したアレの出番も遠くはないかなぁ?』
は『と、遠いです!もう、当分出番なしですよ!』
と『え〜?いきなり生でしちゃうの?大胆ね〜』
は『そ、そういう意味じゃなないです!』
と『はーいはい、もう抑えて抑えて。冗談に決まってるじゃない?』
は『はぁ、お母さんといい、なんでそういう冗談言うんですか?』
と『いや、マジメに反応してくれるからついつい・・・ね?』
は『言われるこっちの身にもなってくださいよぉ』
と『ゴメンゴメン。でも順調でなにより、引き続き頑張ってくれであります』
は『はっ、了解であります』
と『あははは、んじゃね?』
は『はい、またです』


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