8日目

は『そろそろタカシさん来る頃ね。い、一応、勝負下着をつけた方が・・・って何考えてるだろ、私(///』
母『遥、渡辺先生から電話よ?』
は『え?先生から・・・?』

タ「で、先生からなんて?」
は『まず宿題の進み具合を聞かれました』
タ「順調だよな?7月中は厳しいかもだけど、2〜3日ずれてもいいだろ」
は『それが・・・そういう訳にもいかないんですよ』
タ「何で?7月中は渡辺先生の都合だろ?」
は『7月中ってのを校長先生にも話したらしいんですよ。そしたら、校長先生も7月中って言い出したらしく』
タ「んな!?」
は『あと3日以内に終わらせないと、本当にダメって事になっちゃいました』
タ「まじかよ・・・」
は『で、実際の進み具合ですが』
タ「うん」
は『昨日、一昨日とほっとんど進んでないので・・・』
タ「色々あったしね」
は『昼間だけでなく、夜もやらなきゃ終わらなくなっちゃいました』
タ「そっか・・・。まぁ、しょうがないな」
は『はぁ・・・昼間だけでなく、夜もタカシさんと一緒なんて最悪すぎです』
タ「・・・え?夜も一緒にやるの?」
は『え?当たり前じゃないですか?私がちゃんと見張ってないとやらないじゃないですか?』
タ「いや、大丈夫だって」
は『ダメです。タカシさんが終わらなかったら、私まで被害を受けます』
タ「一人でもちゃんとできるよ。信用しろよ?」
は『無理です』
タ「じゃ、どうしても夜も一緒に居たい訳?」
は『はい』
タ「そうか、それならしょうがないな。俺も遥と長く一緒に居られるのは嬉しいしね」

は『え?・・・ち、違います!そ、そういう意味じゃないですよ?』
タ「じゃぁ、どういう意味か説明してもらおうか?」
は『で、ですから、あくまでも宿題を一緒にやるという事であって、二人きりで一緒に居られるとかでは』
タ「嬉しくないの?」
は『そ、そういう質問はずるいです』
タ「ちゃんと答えて欲しいな」
は『う、嬉しい・・・です(///』
タ「よし、話がまとまった所で頑張りますか」
は『うぅ、なんか一人で恥ずかしい思いさせられたような・・・なんか理不尽です』
タ「まぁ、なんとかなりそうじゃない?」
は『ところが、まだ問題があるんです』
タ「何?」
は『お父さんとお母さんが・・・実は今日から1泊2日の旅行なんです』
タ「へぇ〜、夫婦水入らずってやつ?」
は『何のんきな事言ってるんですか!これは一大事ですよ?』
タ「んな大げさな。それって、弟か妹できるかもですよぉ〜って?」
は『・・・』
タ「い、いたたた・・・み、耳引っ張らないで」
は『真面目に考えてください。お母さんがいないんですよ?どうなるか分かりますか?』
タ「あ〜、お昼ご飯どうしようか?」
は『お昼ご飯だけじゃないですよ!家事全般、全部自分でやらないといけないんですよ?』
タ「たった2日だろ?やらなくてもいいじゃん?」
は『旅行から帰ってきたら、洗濯物どっさり、掃除もしてない。お母さんどう思うと思います?』
タ「そりゃ・・・さらに疲れるだろうな」
は『そんな思いをさせないために、私が全部やらなきゃなんです』
タ「そうか・・・家事やってる間、宿題できないって事か」
は『そうです』
タ「よし、俺も手伝うよ。二人でやれば早くできるだろ?」
は『・・・』
タ「何、その沈黙」

は『タカシさんって、家事は何ができるんですか?』
タ「・・・ふ、風呂掃除?」
は『それ以外は?』
タ「か、買出し・・・と・・・洗濯」
は『お洗濯ができるんですか?意外です』
タ「洗濯・・・物を取り込む事・・・位?」
は『期待した私がバカでした。やっぱりタカシさんはダメ人間です』
タ「一人では無理でも、アシスタントはできるから!何でも言いつけてくれよ」
は『では、手始めに』
タ「おう」
は『お風呂掃除をお願いします』

タ「はぁ・・・普段から手伝いしとくんだったな・・・。よしっと」
キュッキュッ
タ「この音がでれば完璧だ。遥〜、終わったよ」
は『むむ・・・』
タ「ちょ、何散らかしてるの?」
は『散らかしてません!広告を見てるんです』
タ「広告?」
は『普段買い物してないから食材の相場が分からないんです。だからお店同士比較して調べてるんです』
タ「変わるっていっても、10円20円だろ?」
は『分かってないですね・・・その積み重ねが大切なんじゃないですか』
タ「へいへい、すいませんね」
は『とりあえず・・・買出しに行きます』
タ「ん?買出しなら何買えばいいのかメモしてくれれば俺がいくよ?その間、別の家事をすれば」
は『要はお母さんが帰ってきたときにちゃんとしてれば良いので、掃除も洗濯も明日にします』
タ「あ〜、そういえばそうだね」
は『なので、今日は明日の分もキッチリ買い物しちゃいます』
タ「んじゃ、そうと決まれば早く行こうぜ?」
は『買い物行くのは私だけですよ?』

タ「え?俺は留守番?」
は『そうですね、家でダラダラさせるのもなんですし、荷物持ちとして付いてきてください』
タ「やっぱり、一緒に行きたいんだろ?」
は『ち、違います!二日分の買出しですから、量も多いので仕方なくです。本当嫌ですけど・・・』
タ「はいはい、んじゃ行きますか」

は『えっと・・・ニンジンとジャガイモを取って下さい』
タ「これがいいかな?」
は『次はお肉のコーナーへ行きましょう』
タ「・・・なぁ?」
は『何ですか?』
タ「こうやってさ、ご飯の材料を買いにきてると、なんか夫婦みたいじゃない?」
は『ふ、夫婦!?(////』
タ「うん、新婚さんみたいな」
は『こ、こんなのただの買い物ってだけで、夫婦とか新婚さんとか関係ないです!(///』
タ「そんなに興奮するなって。俺がそう思っただけですから」
は『た、タカシさんの妄想に付き合ってる暇は無いです。次行きますよ』
タ「でも、こうやってさ」
は『ひゃっ・・・う、腕絡めないでください(////』
タ「ほら、新婚さんの買い物みたいじゃない?」
は『うぅ・・・こんなの卑怯ですよぉ(///』
タ「嫌?」
は『・・・い、嫌・・・じゃないです(////』
タ「んじゃ、家にもどるまでこうしてていい?」
は『・・・は、はい(////』
タ「次は、卵だな」
は『(タカシさんと・・・夫婦・・・新婚さん・・・えへへ////)』ぎゅっ
タ「ん・・・遥」
は『はい?』
タ「腕にさ、当たってるけど」

は『何がですか?』
タ「い、いや・・・その・・・」
は『もう、時間は待ってくれませんよ?急いで買い物しちゃいましょ?』
タ「お、おう・・・」
は『(当ててるんですよ、なんて恥ずかしくて言えないです//////)』

タ「何だかんだでお昼近いね。ご飯作る?」
は『はい。晩御飯の分も作ってしまえば、あとは宿題に集中できますね』
タ「じゃ、俺も手伝うよ」
は『では・・・はい、コレを』
タ「エプロン?俺もつけるの?」
は『当たり前じゃないですか?タカシさんは料理に慣れてないから、服が汚れますよ?』
タ「そっか。んじゃ、つけないと」
は『私もつけて・・・っと』
タ「へぇ〜・・・」
は『な、何ですか?こっちをジロジロ見て・・・』
タ「いや、エプロン姿、なかなか様になってるなって」
は『普段からお手伝いしてますからね』
タ「なんかすごく家庭的な感じするし、ぶっちゃけ、すげー可愛い」
は『か、可愛い・・・へ、変な事言わないでください!(////』
タ「いや、素直な感想だけど」
は『た、タカシさんは黙って私の言うとおりにすればいいんです』
タ「褒めちゃダメなのかよ。ちぇっ、分かったよ」
は『(うぅ・・・可愛いなんて、嬉しすぎですよぉ///)』
タ「で、何からすればいい?」
は『(タカシさんもエプロン姿・・・さっきの買い物といい、ますます夫婦って感じです///)』
タ「はるか?」
は『へ?あ、何ですか?』
タ「大丈夫?ぼ〜っとしてたけど」
は『だ、大丈夫です。とりあえず、タカシさんは野菜の皮を剥いてください』

タ「おっけ〜」
は『包丁は危ないので、ピューラー使ってくださいね』
タ「おっ、こんな簡単に皮剥けるのか。おもしれ〜」
は「私はその間に、お肉を炒めちゃいます」
タ「何作るの?材料的には・・・カレー?」
は『違いまーす』
タ「じゃ、シチューだ」
は『ハズレです。だいたい、ルーを買ってないじゃないですか?』
タ「あ、そうか」
は『まぁ、出来てのお楽しみですね。でも、これは夜用で、お昼は素麺にします』
タ「外暑かったもんな。さっぱりしてていいね」
は『時間掛からないですしね。ささっとやって、宿題始めましょう』
タ「あ、そっか。宿題忘れてた」
は『もう・・・肝心な事なんですから、忘れないでください』
タ「だって、遥とこうやって一緒に買い物したり、台所に立ってる方が楽しいからさ」
は『わ、私も・・・その・・・(///』
タ「うん?」
は『な、何でもないです。終わったらお皿の準備をしてください』
タ「はーい」

タ「素麺、美味しいな」
は『こんなの誰が作っても同じですよ?』
タ「いや、愛情という隠し味があるからな」
は『ふ〜ん・・・私、入れたつもりないですけど。味覚障害じゃないですか?』
タ「ちょ、冷たいな・・・素麺だけに」
は『素麺で褒められても嬉しくもなんともないです』
タ「そういうもの?」
は『そうです。さ、早く食べちゃいましょう?宿題、今日の分は全然やってませんから』
タ「そうだね」
は『(晩御飯で、もっと美味しいって言わせてあげちゃいますからね?)』

タ「・・・」
は『・・・』
タ「ん・・・くはぁ・・・。っと、もうこんな時間か」
は『集中してやりましたからね』
タ「んじゃ、お楽しみの晩御飯にしない?何作ってたのか気になってさ」
は『それでは休憩がてら、ご飯にしましょうか』
タ「待ってました!早くいこうぜ」
は『ちょ、ちょっと押さないでくださいよぉ。ご飯は逃げたりしませんから』
タ「なぁ、遥。何かさ・・・香ばしい・・・というか、焦げた匂いしてない?」
は『ふぇ?・・・ぁ・・・あぁ!?』
ダダダダ
タ「な、何だよ?」
は『・・・』
タ「どうしたの?」
は『な、何でもないですよ』
タ「後ろ手に隠したのはお鍋?」
は『あ・・・その・・・あ、洗おうかなって思って』
タ「・・・」
は『ほ、本当に何でもないですから』
タ「中見せて?」
は『べ、別にタカシさんが見る必要ないです』
タ「そう言えば、夜のお楽しみの料理はどこ?」
は『あ・・・えっと・・・』
タ「ほら、貸してごらん?」
は『やっ!ダメ、見ちゃダメです』
タ「おっ・・・凄いな。真っ黒だ」
は『・・・』
タ「お昼からずっと火にかけてたの?」
は『途中で・・・止めるつもりで・・・長く煮込んだ方が・・・でも止めるの忘れてました』
タ「そっか・・・」

あずさ『ふしぎなポッケでかなえてく〜れ〜る〜♪』

は『い、今から何か作るので、待っててください』
タ「う、うん・・・」
は『・・・ぐすっ・・・私ってば、いつも肝心な時に・・・失敗して・・・』
タ「遥・・・」
は『頑張って作って、美味しいよって言ってもらおうって・・・ぐすっ・・・バカみたい』
タ「・・・」
は『えへへ、カッコ悪いですね』
タ「どれどれ」
は『な、何を・・・?』
タ「もぐもぐ」
は『こ、こんなの食べちゃダメですよ!体悪くしちゃいます!』
タ「肉じゃがだろ?美味しいよ」
は『む、無理して言って欲しくないです・・・余計惨めで・・・ぐすっ・・・辛いです』
タ「本当に美味いよ?多少味が濃くなってるけど、中の方はまだ平気だしさ」
は『タカシさん・・・』
タ「それに、遥が俺の為に作ってくれたんだから。美味しくないはずないだろ?」
は『こんなに焦げたの美味しいなんて・・・味音痴にも程があります』
タ「これには、入れたんだろ?隠し味」
は『・・・(コクン』
タ「それだけでも、どこの店にも負けない極上料理だよ」
は『ぐすっ・・ズルいです・・・そんな事・・・言われたら・・・』
タ「遥」
は『ふぇぇぇん・・・私、頑張るから・・・ちゃんとしたので美味しいって・・・言わせますから』
ぎゅ・・・
タ「うん、楽しみにしてるよ」
は『・・・ありがとです(///』

タ「じゃ、帰るね」
は『え!?あ、あの・・・』
タ「一人だと寂しい?何なら泊まろうか?」
は『そ、そんな訳ないじゃないですか!やっと一人になれて、せいせいします』
タ「でも、女の子一人で危なくない?」
は『大丈夫です。タカシさんと二人きりの夜の方が何倍も危ないです』
タ「そんな事ないって」
は『あー・・・そんな事もできない根性無しさんでしたっけ?』
タ「そ、そこまで言われたら後に退けないぜ?」
は『はいはい。バカな事ってないで早く帰ってください。明日もありますから』
タ「分かったよ」
は『えっと・・・』
タ「そっちも分かった」
は『はい・・・(///』
ちゅ・・・
タ「・・・ん」
は『んん・・・はふっ・・・(///』
タ「明日は起きたらすぐ来ても良い?家事手伝いたいから」
は『はい・・・。なるべく早起きしてくださいね?』
タ「うん。それじゃ」
は『また明日です』
バタン
は『本当はお泊まりしてほしかったのに、何であんな事言っちゃったんでしょ・・・はぁ・・・。
  で、でも・・・明日も二人きりだし・・・頑張っちゃいます(///』


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