その19

−冬休み十二日目−

ピーンポーン
タ「はーい」
ガチャ
は『・・・』
タ「お、遥。どうした?連絡もなく来るなんて」
は『いけませんか?』
タ「い、いや、嬉しいけど・・・珍しいなって」
は『寒いです』
タ「あ、悪い。ささっ、上がって」
は『お邪魔します』

は『・・・』
タ「あ、あの・・・遥さん?」
は『何ですか?』
タ「さっきから、不機嫌そうなんですが・・・」
は『不機嫌なんです』
タ「そ、そうですか」
は『・・・』
タ「よ、良かったら・・・理由とか話してくれると嬉しいなって」
は『別に・・・タカシさんに話したところで、何の解決にもなりませんから』
タ「そ、そうですか・・・」
は『・・・』
ぎゅ・・・
タ「わっ・・・は、遥?」
は『・・・』
タ「どうしたんだよ・・・解決にはならないけど、一人で溜め込む事もないだろ?」
は『そう・・・ですね』
タ「じゃ、話してくれる?」
は『は、話が・・・終わるまでこのままですからね?』
タ「へ?」
は『ぎゅってしたいわけじゃないですよ?この部屋が寒いので、暖房代わりにタカシさんを使うだけですから』
タ「そ、そう・・・じゃぁ、こうした方が良いかな?」
むぎゅ・・・
は『・・・こ、これで少しは暖かいです(///』
タ「んで、何があった?」
は『昨日、あの後なんですが』

母『では、新年明けましてって事で乾杯』
は『かんぱーい』
か『よぉ、遥!叔母さんから聞いたぞ』
は『な、何をですか?』
か『彼氏が出来たんだろ?話を聞かせろよ?』
は『お、お母さん!何で話しちゃうの?』
母『何言ってるの、みんな遥の事心配してたのよ?』
は『心配って・・・何を?』
母『アンタ、奥手だし、積極的じゃないから、彼氏できないんじゃないかって』
み『そうだぞ?遥は、全然そういうの興味なさそうだったからな』
は『勝美さんも、尊さんも心配しすぎです!大丈夫ですから』
か『あはは、そうみたいだな。で、どこまで行ったんだ?』
み『ふむ、作ったばっかりと言うわけでも無いのだろ?』
は『いや・・・その・・・あはは・・・』
母『ほら、言っちゃいなさいよ?クリスマスの事とか』
は『お母さん!これ以上、変な事言うなら酷いからね?』
か『おー、そこまで隠そうとしてるって事は・・・これは?』
み『ふふふ、そうだなBくらいまで進んでるんじゃないのか?』
か『いやぁ、遥だぜ?まだAだろ?』
は『ちょ、ちょっと待ってください。AとかBって何ですか?』
母『最近聞かなくなったわね』
か『Aってのはキスだな』
み『Bは性行為前だな』
は『は、はぁ・・・』
母『遥はもうCだもね?』
か・み『『え〜〜〜〜〜!?』』
は『Cって?』
母『えっちしたって事』
は『お、お母さん!(///』
か『お、おい!マジか?』
み『初めてはどうだったんだ?』
は『あ、あの・・・勝美さんも、尊さんも経験あるんじゃないんですか?』
か『え?あ、当たり前だろ?ただ・・・ほら、人のも聞いてみたいじゃねーか』
み『そ、そうだな。そういうのも楽しいからな』
は『じゃぁ・・・先に聞かせてください。そしたら・・・その・・・い、言ってもいいですけど』
か『い、いや、俺は・・・あ、尊の聞かせてくれよ』
み『わ、私か?いや・・・やはり、ここは年少から話すべきだろう』
か『そうだよな?よし、遥から話しろ』
は『な、何でそうなるんですか?』
か『まずは、出会いから話してみろよ?』
は『え?あ・・・その・・・同じクラスの人で』
み『おぉ、そうなのか。で、いつから付き合い始めたんだ?』
は『あの・・・お、お酒注ぎますよ?』
か『お、悪いな。おっとっと・・・』
み『で、続きは?』
は『べ、別に・・・無いです』
か『何だよ、つまんねーな。もったいぶらずに話せよ?』
は『つ、付き合ってるって言ってもですね、お情けで付き合ってあげてるだけですからね?』
み『そのお情けで、性行為まで及んだいうのか?』
は『え?あ、その・・・一時の迷いと言うか・・・』
か『なんだよ、成り行きか?そういうのは、後悔するぞ?』
は『ち、違います!ちゃんと、私のこと大事にしてくれてますから!』
み『ほほぅ(ニヤニヤ』
か『それで?続きは?(ニヤニヤ』
は『な、何でもないです!(///』
か『そっか〜、ラブラブなのか〜』
は『ら、ラブラブなんて、そんな・・・た、ただ、向こうが私にベッタリなだけです』
み『でも、そうさせているのだろう?』
は『そ、それは・・・あんまり嫌がるとイジケちゃいますし・・・大人の対応ってやつで』
か『つまり、遥はされるがままって事か?』
は『な、何でそうなるんですか!ちゃ〜んと私が手綱を握ってますから』
み『お、尻に敷いてる訳か。偉い偉い』
は『もう・・・私の話はいいですから、お二人の話を聞かせてください』
か『いや、もっと遥の話が聞きたいな』
み『そうだな。で・・・初めてのキスは?』
は『もう・・・勘弁してください(///』

か『あの野郎・・・ヒック・・・スカート履いてやったのに・・・中身がきにならねーのかよぉ』
み『軟弱者〜・・・二人きりなのに・・・手を出さないとは・・・ひっく・・・何事だ!』
母『あらあら、すっかり潰れちゃったわね』
は『はぁ〜・・・最低。結局、私だけ話しさせられただけじゃない』
母『この二人も奥手だからねぇ・・・もしかして、まだ何じゃないのかしら?』
は『え?』
母『彼氏できたって聞かないし・・・相変わらず、幼馴染の一線が越えられないとか言ってたわね』
は『つ、つまり・・・?』
母『遥がこの3人の中で、一番進んでるって事じゃない?』
は『もう・・・呆れた。何それ・・・』

タ「それで・・・帰ったんじゃないの?」
は『それが・・・そのまま寝ちゃって、結局泊まっていったんですよ』
タ「うん」
は『で、今日起きたら、昨日の続き聞かせろって』
タ「だから、ウチに逃げてきたって訳か」
は『はい』
タ「そりゃ災難だったね」
は『元はと言えば、タカシさんがいけないんですからね?』
タ「何で?」
は『た、タカシさんが・・・その・・・するから・・・だから・・・(///』
タ「嫌だったの?」
は『そ、そういう事言うタカシさんは嫌いです!(///』
タ「まぁ、話したくない事もあるからな。その二人が帰るまで、ウチに居て良いよ」
は『言われなくてもそのつもりです』
タ「じゃ・・・人に話せない事でもする?」
は『やーです』
タ「却下ですか」
は『当たり前です』
タ「でもさ・・・ずっと、抱き合ったままだし、ちょっと・・・ね?」
は『ふぇ・・・?な、何考えてるんですか!(///』
タ「しょうがないだろ?それに・・・二人だけの秘密じゃなくなったなら、また作ればいいじゃないか?」
ふにふに
は『ふぁ・・・ら、らめぇ・・・もう・・・タカシさん!(///』
タ「その割には、嬉しそうだな?」
は『嬉しくなんかないです!(///』
タ「機嫌直すためにも、彼氏である俺が頑張りますか」
は『もう・・・すぐそういう方向へ持っていくんですから・・・困ったものですね(///』


前へ  / トップへ  / 次へ
inserted by FC2 system