その9

〜〜冬休み三日目 クリスマスデートはドキドキなのですよ?前編〜〜

−冬休み三日目 クリスマスイヴ 前編−

は『はぁ・・・あんまり眠れませんでした』
カタン
は『タカシさん・・・好きです。だから、今日は頑張って・・・私も頑張りますから』
コンコン ガチャ
母『おはよぉ〜』
は『おはよう』
母『ん・・・遥、何抱きかかえてるの?』
は『ふぇ・・・?あ、こ、これは何でもないです(///』
母『ほほぅ、彼氏とのツーショット写真ですな?』
は『ち、違う!その・・・お、落っこちてたから、拾い上げただけで』
母『いーじゃないの、隠さなくても。やっぱり、朝目が覚めると真っ先に好きな人思い出しちゃうわよね?』
は『べ、別に、タカシさんの事思ってた訳じゃないもん』
母『隠さなくてもいいのよ。お母さんも、お父さん好きになったときはそうだったから・・・』
は『さて、朝ごはん食べようっと』
母『ちょ、ちょっと!最後まで聞きなさいよ。それでね、それでね』

は『・・・もう時間か。はぁ・・・ドキドキしてきちゃった』
母『遥、忘れ物』
は『ふぇ?』
母『はい、大事な物。今日は帰ってこないの?それとも、家でするの?』
は『ちょ・・・お母さん!(///』
母『もし家に来るなら連絡して?準備しとくから』
は『よ、余計な心配しなくていいの。それより、この箱は?』
母『避』
は『返す!いってきます』
母『ちょ、ちょっと!返されても困るんですけど』
は『知らない。勝手にすれば?じゃ・・・』
バタン
母『ったく・・・親のいう事と茄子の花には無駄がないって言うのよ?・・・これ、どうしよう』
父「・・・」
母『ちょ、何こっち見てるのよ?・・・え・・・これ?』
父「・・・(///」
母『な、何でアンタが恥ずかしいそうな顔・・・ほ、本気?』
父「愛してる」
母『ば、ばか・・・こんな所で言われても嬉しくないんだから(////』

は『時間の30分前。タカシさんは来てる筈ない・・・あっ!』
タ「やっ、委員長。いつも通りの30分前行動だね」
は『タカ・・・別府君、待ち合わせの時間より、ずっと早いですよ?』
タ「やっぱりさ、デートの王道と言えば、女の子が遅れて来て『ゴメン、待った?』じゃない?」
は『・・・』
タ「え?ダメ?」
は『いえ・・・タカシさんに行動を読まれたのが、すっごく癪で』
タ「わっ、ゴメン。そういうつもりじゃないくて」
は『減点1・・・かな?』
タ「そんな!ちょっとくらい・・・最初の1回は練習ってことで」
は『ダメです。厳しく行きますって言いましたよね?』
タ「そ、そうだけど・・・でも、先に来ちゃダメなの?」
は『デートの王道とか、余計な事言うからです』
タ「むぐっ・・・き、気をつけます」
は『はい、よろしい。それで、どこへ連れて行ってくれるんですか?』
タ「えっとね・・・はい、切符」
は『230円分・・・結構遠くに行くんですね』
タ「電車に乗ってる時間は急行で30分くらいだよ」
は『まぁ・・・今日はお任せしてますので、付いていきますけど』
タ「では、行こうか?」
は『あ・・・ここで、手繋いじゃ・・・』
タ「今日位はカップルらしくしても良いだろ?」
は『クリスマスですし・・・しょうがなく我慢してあげます(///』
タ「やった」
は『や、やっぱり、地元では・・・ちょっと恥ずかしいですね』
タ「すぐに電車乗るから大丈夫だよ?」
は『そ、それなら早く行きましょ?』
タ「うん」

は『着きましたけど、まずは?』
タ「えっとね・・・こっち」
は『あっ・・・』
タ「気がついた?委員長がずっと行きたいって行ってた大型書店の本店」
は『凄いです・・・こんなにでっかい建物がまるまる本屋さんだなんて・・・』
タ「ゆっくり見てまわって良いよ?立ち読み用の椅子とテーブルもあるし」
は『そうなんですか?随分寛容なんですね』
タ「みたいだね。俺もビックリした」
は『早く行きましょ?』
タ「うん」

は『わぁ・・・いっぱいです』
タ「じゃ、俺はあの辺りに居るから。そうだね・・・5時位までだったら好きに読んでていいよ」
は『その後も考えてるって事ですか?』
タ「もちろん。次は予約とかあるから、時間は厳守でね?」
は『タカシさんじゃないので、そのくらいはちゃ〜んと守れます』
タ「あはは、そうだね」
は『じゃ、じゃぁ、行ってきますね』
タ「行ってらっしゃい」
は『(タカシさん、ちゃ〜んと私が言った事とか覚えててくれたんだ・・・嬉しいな///)』

は『・・・』
タ「委員長・・・委員長」
は『ふぇ?べ、別府君?』
タ「時間なんだけど・・・良いかな?」
は『え・・・もうですか?』
タ「その本、買う?なんなら奢るけど?」
は『結構です』
タ「そ、そう?時間忘れる位夢中になってたのに?」
は『べ、別に時間を忘れた訳ではないです。もう止めようと思った所で、別府君が声をかけて来ただけです』
タ「そうか?もう約束の時間を10分くらいオーバーしてるけど」
は『うそ・・・あ・・・』
タ「どうする?」
は『その・・・べ、別府君がどうしても奢りたいっていうなら・・・止めませんけど?』
タ「じゃ、どうしても」
は『そ、それなら・・・』
タ「んじゃ、レジ行ってくるね」
は『ん・・・それをクリスマスプレゼント・・・何ていう気はないですよね?』
タ「あはは、ないない。信用しろよ」
は『なら・・・まぁ、いいですけど』
タ「それよりもさ、やっぱりプレゼント期待してるの?」
は『え?そ、そんな事はないです。別府君がくれる物なんて・・・』
タ「そう・・・」
は『む・・・すぐそうやって暗い顔する。減点2です』
タ「え?そりゃないよ」
は『ダメです。もう合計で減点3ですよ?』
タ「ちなみに・・・どのくらいでダメなの?」
は『あのですね・・・普通に考えて、1点でもあったらダメですよ?』
タ「じゃ、じゃぁ・・・もうダメなの?」
は『本来ならそういうところですが・・・まぁ、その本に免じてちょびっとだけ甘くしてあげちゃいます』
タ「よかった・・・じゃぁ買って来るね」
は『急いでくださいね?』
タ「おう」
は『(はぁ・・・どうしてあんな事、言っちゃうんだろ。今日は素直にならないといけないのに・・・)』

タ「お待たせ」
は『次はどこへ?』
タ「えっとね・・・こっちだな」
は『う・・・人がいっぱいですね』
タ「だね。はぐれないように注意しないと・・・」
ぎゅ・・・
タ「え?」
は『手、繋ぐより・・・こっちの方がはぐれにくいってだけですからね?(///』
タ「委員長から腕組んでくれるなんて・・・これだけでも、十分プレゼントみたいなものだな」
は『こ、こんなので良いなんて・・・別府君は安上がりですね(///』
タ「いやいや、お金じゃ買えない価値がある」
は『クレジットカードのCMですか?』
タ「あはは、そうそう。本当・・・こうやって二人一緒に居られるのが」
は『プライスレス』
タ「先に言うなよ」
は『別府君の単純で影響されやすい考えなんてお見通しです』
タ「へいへい・・・そうですか」
は『ふふ・・・そうですよ?』
タ「・・・」
は『何ですか?人の顔見てニヤニヤして』
タ「耳貸して?」
は『はい』
タ「遥、笑った顔が凄く可愛いよ(ボソッ」
は『ふぇ・・・(///』
タ「あはは、赤くなった」
は『べ、別府君!そうやって人をからかうなんて・・・減点30です!(///』
タ「からかってないって。本気だよ」
は『ふ〜んだ、知りません』
タ「委員長、悪かったよぉ」
は『そういう恥ずかしい事言う人には・・・こうです』
むにゅ・・・
タ「い、委員長!?(///」
は『あは、別府君も赤くなった。やーいやーい、です』
タ「いや、ムネ当てられたら、普通はこうなるだろ」
は『ちょ、ちょっと、大声でそんな事言わないで下さい(///』
タ「わ、悪い」
は『もう・・・お仕置きです。次の場所まで・・・ず、ずっとこうですからね?(///』
タ「う、うん・・・お、お仕置きなら・・・しょうがないな(///」
は『ですよ?私だって嫌ですけど・・・デキの悪い彼氏を躾けるためにはしょうがないです(///』

タ「はぁ・・・はぁ・・・着いたよ(///」
は『は、はい・・・(///』
タ「なんか・・・離れるのが惜しいね」
は『お、お仕置きでやってるんですよ?もう・・・別府君のえっち(///』
タ「そ、そうだったね。とりあえず・・・ここでご飯食べよう」
は『ここって・・・何か高級そうな所ですね』
タ「見た目はね。でも、普段着でも全然入れるしさ、割と値段もお手ごろだったから」
は『ふ〜ん・・・こんな良い場所、よく見つけましたね』
タ「委員長が喜んでくれると思ったら、この位の手間訳無いさ」
は『そ、そうやって、カッコいい事言っても、減点は減りませんからね?(///』
タ「分かってるよ」
は『見た目は良いですけど、問題は中身です。料理の味も大切ですし』
タ「それも大丈夫だよ。じゃぁ、入ろう?」
は『はい』


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